スプレーモでは2008年に初めてゼニアのスーツを作りました。以来、スーツ14着、タキシード1着、コート1着を作っています。
単純には、2、3着だと足りないからです。
一週間で、ローテーションを組もうとすれば、最低、5着は必要です。でも、それだと、周囲から見て「水曜日のスーツがいつも同じ」ともなりかねないですし。ましてや季節で変わりますよね。
スプレーモのスーツは、私にとって仕事上の「戦闘服」です。戦闘服は、スペアがたくさん必要です。そう考えて、たくさんオーダーしています。
でもまだまだ足りないくらいですよ。
スプレーモさんは、すでに私の体の各部分のサイズを知っているので、今は、気に入った生地のサンプルを見たら、後はスプレーモに「これで作ってください」と電話するだけで、新しいゼニアが作れます。
清水さんは私にとって、「いい戦闘服を素早く用意してくれる、頼もしい裏方」です。
5年前、30代後半ぐらいからです。昔は、ぜんぜん気を遣ってませんでした。
私は高校を中退し、バーテンダーや道路工事などの仕事をしていました。当時は頭もパンチパーマでしたし、そもそもスーツのような正装とは縁のない生活でした。
20歳になって会計事務所で勤務したとき、当時のDCブランドのスーツが精一杯で、あとは「2着でいくら」のようなスーツを着ていました。不動産の世界に入ったのは2004年、33歳の頃でしたが、その時もスーツへの定見もなく、「一応、スーツ着て、ネクタイ締めておけば、それでいいんでしょ」としか考えていませんでした。
その後、給料も上がってきたので、デパートに行き、いくつか並んでいる高級そうなスーツの中で、これがいいと手にとって一つ買いました。それはドルチェ&ガッバーナというブランドだと後で知りました。これが私のブランド物スーツのデビューです。
いや、その時はそんな高級なことは考えていませんでした。ただ単に、「俺もついに2着1万円のスーツを卒業できた。ここまでのスーツが買える男になれた」という自己満足の世界です。
家ではいつもジャージかスエットでした。今でも部屋着はスエットが好きです。ラクでいいですよね。外出時の普段着も適当にそこらへんで買った服でしたよ。オシャレと言うのは外国の文化だってくらいの勢いでした。
その頃、富裕層に投資不動産を売る仕事を始めました。すると周りの先輩から、「そろそろ良いスーツ買った方がいいよ」と言われるようになりました。先輩は「スーツはデパートでブランド物を買うより、自分の体型に合わせてオーダーした方が良いよ」と教えてくれました。
そしてその先輩から教えてもらったのが、まさに「スプレーモ」だったのです。ゼニアという生地で自分の体型に合った自分だけのスーツというものにとても興味が湧きました。
「今度、また作りに行くけど、一緒に来る?」と誘われたので、よし、じゃあ、そのゼニアというのでスーツを作ってみようと、軽い気持ちでスプレーモに行きました。
いえ、知りませんでした。最初に名前を聞いたときは、漢字の名前と勘違いして、「銭屋?」とか思いましたし。
でも、後で勉強すると、ゼニアは超一流の生地であるとのことで、「なるほど、これは良さそうだ」と思いました。
スプレーモでは、とりあえず紺色のスタンダードな生地で一着作りました。
まず着心地の良さに驚きました。生地は軽いし、動きやすい。ジャージみたいだと思いました。
シルエットも、体型に合っていてかっこいい。生地もツルツルで触り心地がいい。
ゼニアの生地が大好きになりました。スーツはゼニアでいこうと決めて、それからはどんどん追加で買っていきました。
まず仕事の場では、「根布さんって、何か雰囲気違うね」と、初対面の人からでも言われるようになりました。普通のスーツを着ていたとき、そんなことは言われなかったので、これははスプレーモのオーダースーツの効果だと思います。
妻からは、「パパはスーツを着せると見違える。我が夫ながら惚れ惚れする」と褒められます。
やはり周りの見る目は変わりました。
はい、ありました。朝、スーツを着ると、気分が自動的に「仕事モード」に切り替わります。まさに戦闘服です。
なにかオーラをまとったような自信が湧いて、常に胸を張って歩くようになりました。
妻は、私がスーツを着ているときはあまり話しかけたくないそうです。受け答えが仕事っぽくて、親しみが持てないらしいです。妻には申し訳ありませんが、それはそれでスーツを着て人格が変わっているようなんです。
その後、2009年には自分の会社を興しました。業績も順調に推移しています。仕事柄、富裕層や地位のある方とお会いする機会も増えましたが、どんな場所でもゼニアを着ていれば、臆することがありません。また、良いスーツを着ることは相手への敬意の表現にもなります。
「一流の仕事をするには一流のスーツが必要だ」とはこのことかと、ついに腹落ちしました。2012年には「不動産超加速投資術」という本を書きましたが、その中でもスーツについて触れています。
本の中では立派なことを書きましたが、正確には「こういう考えだったから、オーダースーツにした」のではなく「スーツをオーダーするようになってから、考えが変わった」わけです。
自分が良い背広を着るようになると、電車に乗っていても他人のスーツが気になります。「おいおい、営業マンなのに、そんなヨレヨレのスーツで良いのかよ」と内心で思うわけですが、しかし、ここでハッと気づくわけです。「いや、自分も少し前は同じような格好だった。ということは、その頃の自分を見ていた人は、たとえ口に出さないにしても、心の中であきれていたかもしれない」と。
服装に無頓着な私でしたが、スプレーモさんのおかげで考えが改まりました。
Yシャツは青山の店や知人の紹介で10数着ほど仕立てました。
ネクタイは数えた事はないですが、たぶん約40本くらいあります。色は赤系と青系メインです。赤は、攻撃モード、やる気モードのときに、青は冷静さが必要な時に、身につけています。
一度、試しに別の生地で仕立てたことがあります。でも、それを着たときは、やっぱりゼニアの方が良いなと思いました。そのとき100万円のスーツも見せられ、試着もしてみましたが、別に欲しいとも思いません。上を見たらキリがなくいいものはあるのでしょうが、私はゼニアの軽くて動きやすい生地が大好きです。
営業マンの人には、いいスーツを着ると、どんな人と会っても堂々としていられるので、営業がラクになりますよとお伝えしたいです。
オーダースーツは動きやすいので、自然体で働けて、気分も楽になります。
これからもスプレーモでいろいろな色や生地の服を買って楽しみたいと思っています。
清水さん、これからもよろしくお願いします。