スーツにおいて避けては通れない問題があります。
それはマンネリ化。
「定番の無地は一通り揃えてしまった…」「柄物はあまり気が進まなくてシンプルな無地ばかりに…」
そんなとき、”織り柄“という選択肢があるのをご存知ですか?
シンプルかつ着回しがきいて、無地とも異なる印象の手に取りやすい織り柄。これさえ選べば、今までの無地スーツとは似て非なる印象になるので、さりげなく普段と印象を変えることができます。
織り柄にはいくつもの種類があります
スーツを買うとき、スーツの顔ともいえる生地を選びます。
その際、お店のスタッフの説明やブログの記事などで当たり前のように「こちらのシャークスキンの生地は…」と生地の種類の名前が出てきます。
しかし、スーツをそんなに詳しくないと、特徴的な生地の名前を言われてもピンときませんよね。大抵そのように名前の付いた生地は織り柄であることが多いです。
今回は知っておいて損はない代表的な3種類の織り柄をご紹介します。
それでは早速見てみましょう。
1. シャークスキン
日本語に訳すと、「鮫の肌」
無地の生地を織る場合は縦横どちらも同じ糸で生地を織り上げますが、このシャークスキンは縦と横で別の糸を使うことで、サメ肌の表面の様な模様が現れることがその名の由来です。
シャークスキンの特徴
上の画像のように遠目にはシンプルなスーツですが、近くに寄るとまだら模様のような奥行きのある見た目になります。
雰囲気も無地と比べて全く別モノになるので、同系色の2着目としてもオススメです。
無地とシャークスキンを比べてみました。左が無地、右がシャークスキンです。ほとんど同じトーンのグレーのシャークスキンですが、比較してみると違いがわかります。
シャークスキンの良いところは、ほぼ無地と印象がかわらないとこと。つまり、「今までグレーの無地を着続けていてなんとなく気分を変えたくなった」「色は変えたくないけど、少し雰囲気を変えたい」という心境に合います。
シャークスキンの色はグレーが一般的ですが、ブルー系やブラウン系も存在します。
上の写真は比較的珍しいブラウン系のシャークスキン。セットアップとしてカジュアル用に持っておくのもありです。
2. ヘリンボーン
日本語に訳すと「ニシンの骨」という意味です。
拡大するとその名の通り小魚の骨の様な織りで表現されています。英国発祥の伝統的な織り柄の一つで、スーツ以外にコートなどの重衣料でもよく見かける柄です。
- ヘリンボーンの特徴
縦に線が入るので、細かいものはヘリンボーンストライプと言われることもありますが、ストライプの中でも主張の少ない柄です。
遠目には無地ですが、近づくと光の加減でさりげない縦線が浮かび上がります。
生地の表情も華やかなので、ベストを付けて3ピースでの着用にも向く柄です。
近くに寄ると、さりげないストライプがみえます。
ダークカラーを選んでおけば、一般的なビジネススーツとして使う分にはまず問題ありません。冠婚葬祭などのフォーマル度高めのシーンでは色によっては派手に映る場合もあります。お店の人に相談しましょう。
ちなみに、ものによっては上の写真のようにかなりカジュアルな印象の粗めのヘリンボーンがありますが、カジュアルジャケットやコートに使われることが多いです。
3. バーズアイ
日本語に直すと「鳥の目」。
異なる2色の糸で織られていて、格子模様が表面に小鳥の目のように現れるのが名前の由来です。
こちらの生地は分類としては柄物になりますが、着用シーンは無地と同じ扱いになることが多いです。
- バーズアイの特徴
バーズアイはその織りの特性上、ややハリがあるのが特徴です。
印象としては、無地に比べて少しだけ渋めな印象になりますが、落ち着いた貫録ある雰囲気を出すことができます。
遠目には無地のネイビースーツですが…
近づくと織り柄が見えてクラシカルな表情に。
渋めな印象とは書きましたが、ネイビー系かグレー系であればビジネスシーンでもデイリーに幅広く使うことができます。
また、印象がややカジュアルなのを利用して、ノータイでセットアップのように使うこともできます。
◆まとめ
いかがでしょうか。比較的シンプルで着まわしやすい3種類の生地をご紹介しました。
このような生地の名前を知っておくだけで、お店でスーツを選ぶのがより楽しくなるのはもちろんですが、先述の通り、普段のビジネススーツでも着こなしの幅がグッと広がります。
シンプルな織り柄を1着増やせば、今持っているシャツやネクタイの分だけ着こなしのバリエーションが増えます。
ぜひ柄物のスーツにも挑戦してみてください。