「礼服」と言っても、その種類はさまざまです。
このページでは、最も格式の高いフォーマルから、略礼装と呼ばれるブラックスーツまで、わかりやすく解説していきます。
ドレスコードを見て迷った際は、参考にしてみてください。
礼服は大きく分けると3つのグループになる
礼服は大きく分けて、以下の3つのグループに分かれます。
①正礼装
②準礼装
③略礼装
略→準→正の準にフォーマル度が高まるということを覚えておきましょう。
それぞれ具体的に見ていきます。
正礼装
紳士服において最も格式の高い装いが「正礼装」
・モーニングコート
・燕尾服
正礼装は主にこの2つ。着用シーンの時間帯によって使い分けされます。
モーニングコート・・・その名の通り、午前~日中にかけての式典に着用。
燕尾服・・・夕方~夜間にかけての式典に着用。
「モーニングコートと燕尾服の違いがわからない」という方も多いでしょう。
見た目の違いはジャケットのフロントを見ればわかります。
モーニングコートは後ろの裾に向かって曲線的に伸びていきます。
一方燕尾服は、腰ぐらいの位置で直角に切れ、後ろ側の生地にぶつかります。
燕尾服・モーニングともに着用シーンはかなり限られます。
最も身近な着用シーンは、お子さんの結婚式。
ホテルや挙式会場などフォーマルな場面で新郎または新婦の父として着用します。
日中の結婚式であればモーニングを、夜の挙式は燕尾服を着用します。
その他の着用シーンは、勲章などの受賞の際や国賓級のパーティーに招かれた際など一般的にはかなり稀と言えるでしょう。
準礼装
準礼装は下記の2通り。
・ディレクターズスーツ
・タキシード
これも時間帯により使い分けます。
ディレクターズスーツは日中、タキシードは夜以降と覚えておきましょう。
ディレクターズスーツ
ディレクターズスーツとは、ブラックのジャケットにライトグレーのベスト、ストライプ模様のスラックスの組み合わせを指します。
スラックスは別名コールパンツとも呼ばれ、ストライプ柄のビジネススーツとは異なりますので注意しましょう。
インナーのシャツは白のウィングカラーもしくはレギュラーカラーを合わせます。
ネクタイはシルバーなどのパステルカラーで、アスコットタイまたは通常のタイでも問題ありません。
ディレクターズスーツの着用シーンは、一般的には結婚式が多いでしょう。
ディレクターズスーツの着用が相応しい人は、その式典の主賓に当たる人物。
主賓とは、その宴において最も格式の高いゲストを指します。
主賓以外にも、スピーチを担当する場合などはディレクターズスーツが良いとされています。
タキシード
タキシードとは、衿やボタンがシルクなどの光沢のある素材で覆われたスーツを指します。
基本の形はスーツに近いですが、ジャケットは1つボタン、スラックスの脇に側章と呼ばれる1本のラインが入るなど、細かな点で違いがあります。
タキシードを着用する場面はやはり結婚式が代表例。
結婚式の主役である新郎の多くは、このタキシードを着用します。
日本の結婚式においては、新郎新婦の父がモーニング・燕尾服を着用することが多いため、
日中の結婚式においても新郎はタキシードを着用することが多いのが現状です。
また夜の挙式で主賓の場合は、タキシードの着用がおすすめです。
結婚式以外でも、格式の高い夜のパーティーなどは、ドレスコードで「ブラックタイ」と書かれている場合は、タキシードを着用しましょう。
略礼装
日本における略礼装は大きく分けて下記の2つ。
・ブラックスーツ
・ダークスーツ
最も着用頻度の高い礼服がこの略礼装に当たります。
ブラックスーツ
ブラックスーツは、世間一般では礼服と呼ばれます。
生地にデザインは無く、黒に深みがあるほどフォーマルとされています。
スーツのデザインもいたってシンプルで、ボタンは黒でシングルの場合2ボタンまたは3つボタンが一般的です。
スラックスの裾はフォーマルなシングル。長さもしっかりと靴にかかかる程度のハーフクッション以上が相応しいでしょう。
一般的な冠婚葬祭に使うことができますので、社会人の男性は常に準備しておきたいスーツの一つです。
結婚式の参列者はブラックスーツが基本ですが、昨今はカジュアル婚も人気のため、会場や雰囲気により異なります。
ブラックスーツを着用する際は、シャツは白の無地、靴はブラックのストレートチップシューズを合わせます。
ネクタイは弔事では黒無地。慶事ではシルバーなどのパステルカラーが雰囲気に合います。
ダークスーツ
ダークスーツは黒に近いダークネイビー、またはダークグレー(チャコールグレー)のスーツを指します。
急な出席となる通夜や、友人などカジュアルな間柄の結婚式では、ダークスーツでの参加もマナー違反ではありません。
生地の柄は無地が最も望ましいですが、シャドーストライプなどの目立たないものであれば問題ありません。
弔事を除く、ダークスーツを着用するイベントでは、シャツやネクタイなども自由度が高いことが考えられます。
会場や参加者の雰囲気がわかれば、適度におしゃれを楽しむこともできるでしょう。
まとめ
礼服は最も格式の高いものから略礼装と呼ばれるものまで分けられます。
解説した用途や着こなしのポイントを抑えることで、どんな場面でも正しい装いをすることができます。
迷ったときは、このページを見返してみてください。