ここ数年でさまざまなメーカーからリリースされ、市民権を得たストレッチスーツ。
伸縮性があり、着やすいのは想像できると思いますが、他にどんな特徴があると思いますか?
今回は、ストレッチ素材を使用したスーツと一般的なスーツの違いや注意点を解説します。
ストレッチスーツとは?
一般的なスーツに比べ、伸縮性のある素材のスーツを、ストレッチスーツと呼びます。
お店によって、ラクチンスーツなどのキャッチーな名称で呼ばれている場合もあります。
スーツ素材として代表的なのがウールやポリエステルですが、基本的に伸縮性はさほど高くありません。
一方、ストレッチ素材としてよく使われるのがポリウレタンです。
製品により、「ライクラ」「スパンデックス」「エラスタン」などと呼ばれることも。
ポリウレタンをウールやポリエステルと織り交ぜることで、ストレッチ生地が完成します。
ちなみに、ウールやポリ100%でも「ナチュラルストレッチ」と言われる生地があります。
これは特殊な薬剤で化学処理を行うことで、ストレッチ性能を高めた生地を指します。
※伸縮性のあるスーツで、ジャージースーツがありますが、これは編み物であるニットです。ストレッチ生地とは別物です。
当店で扱っているゼニアも、「ハイパフォーマンス」シリーズではナチュラルストレッチ機能が施されています。
ストレッチスーツの特徴
伸縮性のあるスーツは、メリットも多い分、デメリットもあります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ストレッチスーツのメリット
①伸縮性による着やすさUP
なんといっても、伸縮性の高さによる着やすさがストレッチスーツの最大のメリットです。
スーツは足の曲げ伸ばしなどによるストレスを感じるのが、多くの方が持つ悩みでした。
忙しく活動するビジネスマンにとって、動きやすさは大切なポイントです。
またデスクワークが中心の場合も、パソコンを操作する姿勢の時に、背中が適度に伸びるととても楽です。
カジュアルシーンでゆとりのある洋服を着たり、ストレッチの効いた衣服を着用する場合は、メリットをより実感できるでしょう。
②シワになりにくい
伸縮性があるということは、シワの回復力も期待できます。
出張など、どうしても連続で着用しなければならない場面でも、活躍が期待できるでしょう。
ただし、長年着続けたストレッチスーツは、伸縮性が弱まる可能性があります。
かなり着たという感覚がある場合は、繊維が伸び切ってしまっている可能性もあります。
着用前に生地感をチェックしてみましょう。
③多少の体重変動はカバー
ストレッチが効く=可動域が広がる
ということになります。つまり、少し体重が増えてしまったとしても、伸縮性により着心地をカバーできます。
また、スーツの縫い目に対するストレスもゆとりが小さいと増えるので、ほつれや破れの原因となります。
生地に伸縮性があることで、縫い目への負担を減らせるのもメリットです。
ストレッチスーツのデメリット
① 一般のスーツより寿命が短かめ
ポリウレタンが使われる生地は、一般的なスーツよりも寿命は短くなるかもしれません。
ポリウレタンは紫外線や水分などにより分解され劣化していきます。これらを極力避ける必要があります。
ポリウレタンの含まれる、合皮の劣化がイメージしやすいでしょう。
劣化を遅らせる方法としては、
・紫外線になるべく当てない
・頻繁に連続して着用しない
・汗、雨に注意する
これらを意識することでスーツの寿命はある程度伸ばせます。
② 伸びきってしまうことも
化学繊維、ナチュラルストレッチどちらの場合も、着用していく中で伸びきってしまう可能性があります。
伸縮性があるからと、サイズをタイトにしたり激しい動作をしたりすると、生地が伸びてしまいます。
伸びきるのを防止するためには、必要以上にタイトに着ないようにするなどの注意が必要です。
ストレッチスーツが向く人
ストレッチスーツが向くのは以下のような方です。
・タイトなサイズ感が好きな方
・筋肉質な方
・立ち座りなどの動作が多い方
これらに当てはまる人は、ストレッチスーツのメリットを強く感じるはずです。
ただ繰り返しになりますが、タイトサイズでの着用は生地の伸びにつながります。加減はご相談ください。
まとめ
いかがでしょうか。ストレッチスーツは動きやすさというメリットも多い反面、いくつかの注意ポイントがあります。
これらを理解したうえで、通常のスーツ・ストレッチスーツを使い分けていきましょう。
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