季節の変わり目に洋服の整理をしていたら、しばらく着ていなかったスーツに虫食いの穴を発見!
虫に食われないのが一番ですが、お気に入りの服が虫食いに合うと悲しいですよね。
そこで今回は、スーツが虫食いの被害にあった時の対処法と、虫食いを起こさないケアについて解説します。
1.虫食いとは?
虫食いは、繊維を食べる虫(幼虫)が繁殖する環境で発生します。
主な原因とされる虫は、「カツオブシムシ」と「イガ」の幼虫。
肉眼で発見するのが難しい2ミリほどの小さな虫で、湿度が高く栄養のある環境を好みます。
クローゼットの中はちょうど繁殖に適しているので、虫は元気に動き回ってスーツの繊維を食べます。
1-1.虫食いに注意するべき季節・環境は?
実は「この季節は安心」という季節はありません。上記で紹介した幼虫は1年を通して存在しており、虫食いのリスクは1年を通してあります。
その中でも、幼虫がより活発になってしまう環境条件がいくつかあります。
一つは湿度。60%以上のジメジメとした場所を好みます。温度は人が快適に感じる室温(15℃~25℃)が幼虫も同じく好みです。
また明るいところを嫌う性質のある幼虫は、クローゼットの暗い環境も幼虫にとっては好都合です。
1-2.洋服の素材による違いは?
素材によっても、虫の好む素材とそうでないものに分かれます。
今回のテーマである「スーツ」に使われている代表的な繊維にウールが挙げられます。
残念ながら、ウールは虫の大好物です。同じくカシミヤなどのいわゆる動物性の繊維が栄養価も高く虫にとっては好都合なのです。
対して化学繊維などは、好んで食べませんがそこに人間のフケや食べかす、ほこりなどが付いている場合は、虫のエサとなるため一緒に食われてしまう事があります。
2. 虫食いを直す方法
それでは、大切なスーツの虫食いを発見してしまった時、対処法は主に2種類あります。
それぞれに注意点があるので、修理の特性を把握しましょう。
2-1. かけつぎ
(参照:かけつぎ工房繊和技研)
かけつぎとは、生地の組織通りに糸を織り込むことで穴を塞ぐ修理方法です。
かけつぎは小さい穴であれば、ほとんど目立たない状態に修理が可能。
しかし、かけつぎをする際には2つの注意点があります。
・ 小さな穴だけしかできない。大きな穴は塞ぐことができない。
・ 職人技なのでお直し代は安くない。目安は2センチ四方で5千円程度。
長く放置していると、虫食いがスーツ全体に及んで10箇所以上になってしまうことも。
個所が多いとお直し代は10万円以上になるので、箇所が多い時は新品を買う方が良いかもしれません。
2-2. 当て布
当て布とは、衣類用のボンドなどで裏から布を当てて穴を塞ぐ修理方法です。
比較的大きな穴を塞ぐことができ、自分でも行える手軽さが当て布修理のメリット。
その反面どうしても跡が目立ちやすいという点は覚えておきましょう。
ですので、脇の下やモモの内側など、目立たない場所限定の修理方法です。
3. 虫食いを予防するための方法
虫食いの修理方法をご紹介しましたが、何よりもまず虫食いは発生させないのが一番ですよね。
定期的に、以下の3つを行うだけで虫食いの発生は防ぐことができます。
3-1 ブラッシング
ブラッシングで表面に付いた虫や、エサとなる汚れを落としましょう。
表面を撫でるようにブラッシングして、虫食いの発生を予防できます。
ブラッシングはその他にも、スーツの傷みを予防するなどさまざまなメリットがありますのでオススメです。
詳しくはこちらもご覧ください。
3-2 アイロンがけ
アイロンをかけることで、ブラッシングでは取れない繊維の中に入った虫を熱で殺虫することができます。
画像のように、スーツから少し離してスチームを当てるだけでも十分です。
アイロンが手間という場合はスチーマーで代用するのもいいでしょう。
3-3 通気性のいい保管
ブラッシングしアイロンがけしたスーツは、通気性のいい環境で保管しましょう。
出張帰りなど、スーツカバーをかけたままの保管はNGです。スーツカバーは内部が湿気ってしまうので、保管時には使わないでください。
また、購入時やクリーニング時に付いてくるビニールも外しましょう。
3-4.防虫剤の使用
防虫剤は虫食い対策の強い見方です。
現在では、タンス用や空間の大きなクローゼット用、防虫カバーと様々な用途に分かれていますので、適切な防虫剤を選びましょう。
また使用期限や、有効的な使い方になっているかに注意することも大切です。
まとめ
いかがでしょうか。これで虫食いへの対処法をご理解いただけたかと思います。
もし、虫食いの被害に遭ってしまった時は、ご相談下さい。
また、虫食いは普段から予防するのが一番効果的です。大切なポイントをおさらいします。
・保管時はブラッシングなどを行い、清潔な状態で。
・長期保管の際はクリーニングに。ビニールなど湿気の溜まるカバーはNG。
・防虫剤を有効活用
日頃からこれらのケアを心がけて、お気に入りのスーツを末永く愛用しましょう。