「紺ブレなら、もうすでに一着持っている」
「どこででも買えるし、わざわざオーダーするほど?」
このように思われている方は、少なくないはずです。
確かに、紺のブレザーはどこでも手に入ります。
量販店にも、セレクトショップにも必ず置いてある定番です。
だからこそ、あらためてお伝えしたいのです。
紺のブレザーを、オーダーで仕立てる意味はどこにあるのか。
1888年創業の銀座のオーダースーツ専門店として、丁寧にお伝えします。
1. そもそも、紺ブレとは何か?

紺のブレザー。通称「紺ブレ」はジャケットの王道です。
紺無地の生地に、金色のボタンを合わせた最も格式のある一着。
ビジネスでもプライベートでも着られる実用性の高さが魅力です。
ただ、ひとつ知っておいていただきたいことがあります。
よく質問をいただくことなので、ここでハッキリと書いておきます。
紺ブレザーは「スーツの紺の上着」とはまったく別ものです。
見た目は似ていても、作りも、生地も、目指しているものも違います。
この違いを知っていただくと、「なぜオーダーする意味があるのか」を理解していただけると思います。
2. 「紺のスーツの上着」を紺ブレとして使える?

「紺の無地のスーツがあるので、上着だけ紺ブレとして着れない?」
よく聞かれますね。こちら、紺無地という色は共通しているので、流用できそうに思えます。
ただ、わたくしどものお客様で実際にそのようにされている方は、聞いたことがありません。
理由は、ふたつあります。
ひとつは、後ほどお話しする「作りの違い」です。
「スーツの上着」と「ジャケット」では、生地も仕立ても異なるので、スーツの上着を単品で着るとどこか収まりが悪いです。
もうひとつは、もっと現実的な問題です。
スーツの上着だけをジャケット代わりに頻繁に着ると、上着だけが先に着古されます。
そうなると、いざスーツとして着たい時に、上着だけが着崩れした印象になって、スーツとして機能しなくなってしまうのです。
スーツを一着を紺ブレ代わりに消耗させるくらいなら、紺のジャケットを別に一着持っておく。
そのほうが、結局は長くきれいに着ていただけます。
3. 紺ブレの生地は、なぜ「シワに強い」のか?

ここが、紺ブレザーを語るうえで最も大切なところです。
紺ブレの生地には、ある共通した特徴があります。
「シワに強い」ことです。
スーツの生地がツルツルとした光沢のある仕上がりなのに対して、紺ブレの生地はざっくりとした織りで、シワになりにくく作られています。
これには、はっきりとした理由があります。
紺ブレは、使用頻度が高い一着だからです。
ビジネスでもプライベートでも、何度も繰り返し着る。だからこそ、シワになりやすい素材では困るのです。
そこで、シワになりにくいざっくりとした織りの生地や、シワになっても回復しやすいウール素材が選ばれます。
4. 「既製品の紺ブレ」と「オーダーの紺ブレ」の違いは?

ここで、最初の問いに戻ります。
「どこでも手に入る紺ブレを、わざわざオーダーする意味はあるのか」
違いは、大きく三つあります。
| 項目 | 既製品の紺ブレ | オーダーの紺ブレ |
|---|---|---|
| シルエット | 平均的な体型を想定 | 採寸から型紙を起こす |
| 生地 | 出来あがった中から選ぶ | シワに強い生地を選べる |
| ボタン・細部 | 既製のまま | 好みに合わせて選べる |
既製品の紺ブレは、平均的な体型を想定して作られています。
注意しないといけないのは、紺ブレは肩や着丈が少し合わないだけで野暮ったく見えてしまうということです。
オーダーであれば、お客様の体型に合わせて型紙を作り、仮縫いで微調整しながら仕上げます。
そして、生地。
既製品の場合は選ぶことができませんが、オーダーならシワに強い生地を選べます。
「シワに強く、長く美しく着られる紺ブレ」のための生地を、実際に手に取ってお選びください。
5. 紺ブレだけがジャケットではありません



ここまで紺ブレの話をしてきましたが、一つお伝えしておきたいことがあります。
ビジネスで着るジャケットは、紺ブレだけではありません。
グレーや茶系のジャケットも、ビジネスシーンでよく着られます。
紺ブレが「王道」なら、グレーや茶は「こなれたおしゃれな装い」。
世界的な生地メーカーであるゼニアも、ジャケット専用の生地ブックを毎シーズン作っています。
紺はもちろん、グレー、茶、織りや柄ものまで、ジャケットの世界はとても豊かです。
「紺ブレを一着」から始めて、2着目、3着目と、色や柄を楽しんでおられる方も多くいらっしゃいます。
色柄豊富なジャケット生地については、別の記事で詳しくお話しします。
6. スプレーモの紺ブレ・オーダージャケットについて

当店では、ゼニアの生地を中心に、紺のブレザー、そして色柄豊かなオーダーのジャケットをお作りししています。
スーツと同じように、お客様の型紙データを基に、仮縫いの工程を経て一着ずつ仕上げます。
「シワに強く、長く美しく着られる紺ブレを自分の体に合わせて」
そうお考えの方に、ぜひ一度、生地を手に取っていただきたいと思います。
7. 紺ブレのオーダーに興味をお持ちの方へ

まずは、実際にゼニアの生地に触れていただくことをおすすめします。
「シワに強い、ざっくりとした織り」の感触は、テキストだけでは伝わりません。
ご自身の手で確かめていただくのが一番です。
スプレーモは、明治21年(1888年)に岐阜で創業し、136年にわたってオーダー店を営んでおります。
銀座の店舗では、紺のブレザー用の生地を実際にご覧いただけます。
完全予約制にはなりますが、どうぞお気軽にご予約ください。
あわせてお読みください。
(オーダー店選びの判断軸について)
(本格的なオーダースーツについて)
(オーダーで仕立てるコートについて)
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