体型が変わって洋服が着られなくなったとお問合せをいただきます。
また、昔のスーツを今風に変えられますか?というご質問も。
「洋服をどこまで大きくできるか?小さくできるか?」は一般の方がわかりにくい部分。
今回は洋服を熟知したオーダースーツ専門店がお直し修理について詳しくお伝えします。
1.体重が変わると洋服のどこに影響が?お直しは可能?
体重に変化があった場合によくお直しするのは、スラックスです。
対して上着は、4~5キロの体重の増減であれば直さなく良い場合も見受けれます。体重の増減がバストサイズには変化を与えないからだと思われます。10キロ前後まで体重が変わるとお直しが必要です。
体重が増えると、お腹やお尻やももまわりに脂肪がついて大きくなってきつくなります。
反対に痩せると、先ほどの3つ箇所が細くなるのでダボついた感じになります。
「どこまでお直しできるか」ですが、スーツを細く・短くする場合は比較的大幅に修理が可能。
逆に、大きく・長くする場合はサイズの調整の限界があります。
2.修理に出す際はなるべくクリーニングに出してから
使い込んだシワシワのスーツをお直しに出すと、正確な寸法調整が出来ない場合があります。
またスーツは着用するたびに洗うものではありません。
衛生面、エチケットという意味でも汚れのある、または使い込んでいるスーツはクリーニング後にお直しへ出すことを心掛けましょう。
お直し屋さんによっては、クリーニングとサイズ修理でセットで行ってくれるところもあります。
それでは本題の、太ってしまった場合のお直しと、痩せた場合のお直しに分けてご説明します。
3. お太りになった場合 ー スラックス
サイズを大きくするお直しに関しては、縫いしろ分しか調整出来ないのがポイント。
ウエスト部分には通常約3cmの縫いしろがあるので、82cmの既製品であれば85cmまでは出せることになります。
言い換えると、86cmにはできない可能性もあるということになります。
3-1. スラックスで修理可能な場所は?
太ってしまった場合、スラックスで修理可能な場所は主にウエスト、ヒップ、モモ、ヒザとなります。
※ヒップ周りは縫いしろが少ないことが多く、修理不可の場合もあります。
体重が1キロ増えるとウェストはおよそ1cm大きくなります。ウェスト82cmだった人が3キロ太ると、3cm増えて約85cm。
3センチ増えるとウェストはきついし、チャックも閉めづらく、生地も横に引っ張られます。
脇のポケットもパカっと不自然に開き、場合によってはスラックスのホックやチャックを傷めます。
大幅に太られた方はウェストだけでなく、ヒップまわりやモモまわりも大きくなります。
立っている時は我慢できますが、座るとお尻とモモまわりがパンパンに。見た目も窮屈で、座った時に破れてしまうことも。
大幅に太られた場合は、ウェストだけではなくヒップやモモまわりも同時にお直しすることをおすすめします。
以下は実際にスタッフが太ってしまった際のレポートです。ご参照ください。
■ウエスト4㎝まで ¥3,300
■ウエスト5㎝以上 ¥5,500 ※ウエスト詰め限定
■ヒップ ¥5,500
■モモ ¥4,400
■ヒザ ¥3,850
スラックスの正しいサイズを知っておくことも大切です。下記もご参照ください。
4. お太りになった場合 ー ジャケット
上着の直しは胴まわりがメイン。ウェストサイズに対して上着の胴まわりが小さい場合、ボタンを留めると引っ張られた深いシワが出ます。
この状態では見た目も窮屈そうですし、座った時にも苦しさを感じるでしょう。
上着は直す必要がない場合もありますが、写真のようなシワが出る場合には出したほうが良いです。(縫い代の有無による)
必要な場合はバスト周りも大きくすることも可能です。
■胴回り出し詰め ¥6,600
■着丈直し(1~2㎝迄) ¥8,800
■袖丈直し(左右両方) ¥6,600
■バスト直し ¥5,500
5. お痩せになった場合 ー スラックス
体重が減ると、スラックスのウェスト部分に写真のような隙間が。
また、お尻やモモまわりの脂肪がなくなったことでヒップやモモまわりもダブつきます。
体重が2キロ減程度でしたらウェストだけのお直しだけでOK。ヒップやモモまわりはそれほど変化がないからです。
ただし、5キロ以上痩せられた場合は、既製品サイズで2サイズほど変わるということ。
直して着れないことはありませんが、シルエットが崩れたり見た目に不自然になる可能性がありますので、スタッフに相談しましょう。
大きな体重減でお直しをする場合、ウェストとヒップ、モモまわりの3箇所を調整することがおすすめです。
6. お痩せになった場合 ー ジャケット
2〜3キロ程度の体重減であれば、上着がゆるいのはそれほど目立ちません。
5キロ以上の体重減でウェストまわりを詰めます。お店のスタッフに相談して、直すかどうかをお決めください。
7. 以前のスーツを今っぽくしたい
シルエットを変えることもできます。
例えば、10年ほど前の裾口が広めのゆったりとしたスラックスを、最近の膝から裾口にかけて細く直したい場合です。
ただし、ご希望される出来上がりイメージとの相違や縫い代の有無によって難しい場合もあります。
こちらもスタッフとしっかりと相談しながら決めていきましょう。
※上記のお直しは直す箇所によって価格が違います。お問い合わせください。
まとめ
どれぐらい体重が変化されたかで直し方が変わってきます。どこをどう直せば良いのかを自分で判断するのは難しいと言えるでしょう。
お店のスタッフに採寸してもらった上で、スーツと今のサイズとを比べてどれぐらいの差があるかを見てもらいます。
それをもとにしてどこの部分を直すかを決めてください。
お直しが難しい場合や、あまりにも古いスーツの場合は、買い替えのサインかもしれません。下記もご参照ください。
修理依頼をご要望の方は事前にご予約ください