スラックス の裾上げ、どうしよう?
既製品のスラックスを購入すると、店員さんから次のように聞かれます。
「裾の仕上げはシングルかダブルどちらにしますか?」多くの人を戸惑わせるこの質問、何とかならないでしょうか。
今回はシーンごとに、裾の仕上げや仕様などのおすすめをご紹介します。
1. シングルとかダブルってそもそもなに?
裾上げをするにはシングルとダブルの2種類のやり方があります。
簡単に言うと、シングルとは裾に折り返しのない仕上げに対して、ダブルは裾に数センチの折り返しを付けた仕上げのこと。
見た目に違いはありますが、多くの方がここを注目しているわけではありません。まわりの人に見てもらうためというよりは、ご自身のこだわりの部分です。裾の見せ方一つで雰囲気が変わります。ぜひ今回の内容を着こなしの参考にしてください。
ちなみに日本では「シングル」「ダブル」ですが、欧米ではシングルを「plain」、ダブルのことを「turn up」と呼びます。海外で購入する方は覚えておくといいですね。
歴史として古いのはシングル。ダブルは後から登場した仕上げです。参考ですが、ダブルは20世紀初めにある英国紳士が雨に見舞われ、裾をロールアップして履いたことが起源です。
2. ビジネスシーンでの裾
日本では、ビジネススーツはシングルと考える方が多い傾向にあります。タキシードなどの正装の裾はシングルと決まっているので、そこからの発想かもしれません。
しかしビジネススーツは正装ではなく略礼装なので、ダブルに仕上げても何ら問題はありません。事実、欧米ではビジネスシーンにおいてスラックスの裾の仕上げはダブルの方が多いです。
それでも決めかねてしまう場合は、職場や営業先の雰囲気をイメージしてみましょう。
ジャケットスタイルなどビジネスカジュアルが浸透していれば、裾仕上げはダブルが良いです。
3.結婚式やフォーマルでの裾
結婚式や式典などのいわゆるフォーマルなシーンではどうでしょうか。
こちらに関しては、シングルが良いでしょう。いわゆる正装の燕尾服やタキシードなども裾の仕上げはシングルですので、フォーマル=シングルと考えてください。
ただ、二次会などのカジュアルな雰囲気の場合は、好みで選んで問題ありません。
4. ダブルの折り返し幅は?留め方はホック?縫い付け?
ダブルの折り返しの幅はどのくらいが正解なのでしょうか。
一般的には、3.5㎝~4.5㎝くらいの幅がオーソドックスです。トレンドとして太め、細めなど時代によって多少の変動はあります。
身長やお好みのスタイルなどバランスを見て、お店のスタッフの人と相談しながら決めましょう。
また折り返し(カブラとも言います)をホックで留めるか、糸留めかを選べます。
ホックのメリットは、折り返しの中にホコリが溜まるので掃除がしやすいという点です。
上から見たときにホックが見えるのはイヤという本格派の方は糸留めが良いでしょう。
5. 裾上げのトレンドは?
上記のように、ダブルの折り巾など細かい部分に関してトレンドは存在します。しかし、「シングル」「ダブル」においては、今のところ流行というものはありません。
ご自身のお好みや使われるシーンに応じてお選びください。
まとめ
裾の仕上げに関して、今まではなんとなくシングルに、またはダブルにしていた方も多いのではないでしょうか。
毎朝、靴を履くときに必ず目に入る部分です。細かなところまでしっかりこだわれば、気持ち良くスーツも着ることができます。
たまにはいつもと違う仕上げにしてみると、いつもの装いに変化が生まれ、よりコーディネートを楽しめます。ぜひ参考にしてみてください。