50代以上の人には懐かしく、20代の人には新鮮なダブルのスーツ。
「着てみたいけど仕事に着ていって大丈夫かな。」とよく質問をいただきます。
シングルのスーツに比べてダブルのスーツは少数派なので、興味はあるけどどのような印象を与えるのかなど、はじめてのダブルのスーツは難易度が高いと思われがちです。
ダブルのスーツは、適応シーンとコーディネートを覚えれば簡単に着用出来るアイテムです。
今回はダブルのスーツについてシングルスーツとの使い分けを徹底解説をします。
1.ダブルのスーツとは
ダブルスーツは、上着のボタンを締めた際に前身頃の重なりが広くなります。ボタンの並びが2列で、の4つボタンと6つボタンがあります。エリは一般的にピークドラペルという尖ったエリの形になります。
もともとダブルは、軍服やコートなどに採用されていました。防寒対策として風向きによって合わせを替え、風の侵入を防ぐのに優れていたデザインだったからです。
こうした機能性から生まれたデザインが名残りとなって、今のダブルのスーツに受け継がれています。
2.ダブルスーツの印象
ダブルのスーツは威厳があるように見え方になります。幅の広いピークドラペルは迫力を感じさせ、前身頃の合わせは重厚感があります。ダブルを着ている人のイメージも社長、重役、先生などの権威のある人を想像させます。
日本では1980年代のバブル期にソフトスーツとしてゆったりとしたダブルのスーツが流行しました。そのため、大きなサイズのダブルスーツを今着ると、やや古臭い印象となります。
3.ダブルのスーツの着用シーン
シングルのスーツはあらゆるシーンで着用されますが、ダブルのスーツは着用シーンを選びます。
特に、ビジネスシーンではダブルのスーツの印象が年代別で異なります。着るべき時と控えるべき時を考えて着用しましょう。以下に実際の着用シーンをご紹介しておきます。
40代半ば以上であれば立場的にもリードするケースが多くなりますので威厳を持たせる意味でもビジネスシーンでの着用が可能です。
20代30代のビジネスシーンでは、比較的ドレスコードが緩い業界であれば着用可能です。例えば、チェック柄や明るいベージュなどのスーツスタイルやジャケスラが日常的に着用されている業界であれば問題ありません。
ダークスーツがメインの堅い業界では避けましょう。また、例えドレスコードが緩くても、新入社員からしばらくの間は避けたほうが無難です。
ビジネスで初めての商談や、謝罪時などはシングルのスーツのほうを選びましょう。
4.現在のダブルスーツ
バブル期のゆったりとしたダブルスーツと違い、ここ5年間で主流になったダブルのスーツはサイズ感に特徴があります。肩パットは薄くなり、着丈もシングルのスーツと同じくらい位に短め、胴回りもややタイトシルエットです。
写真引用元:左ピンタレスト、右レオン
スラックスも上着に合わせて、すっきり目の1タックや細身のノータックが主流です。10年前くらいのダブルスーツとはシルエットが異なりますので、クローゼットから昔のダブルスーツを取り出しても着れないというのは理解しておいてください。
5.フォーマルとしてのダブルのスーツ
50代以上の人にとっては、結婚式のゲストスタイル=黒のダブルスーツに白シャツ、白ネクタイ、というイメージが強いと思います。これは、量販店でフォーマルのブラックダブルスーツに白シャツとネクタイがセットで販売されていたためです。
結婚式でダブルのスーツでないとダメというルールもなく、シングルとダブルの格式の差もありません。現在のゲストスタイルはシングルスーツが大多数です。
もしも、ダブルのスーツで結婚式に参列する場合は、今風のすっきり目のダブルのスーツを選ぶと良いでしょう。
弔辞の場合もダブルや、シングルの格式の差はありません。ブラックであればどちらでも構いません。
6.ダブルスーツのコーディネート
ビジネスシーンにおいてダブルのスーツはそれだけで個性が出ます。コーディネートを考える際には、引き算して合わせていくやり方が良いです。スーツ、シャツ、ネクタイの3つのアイテムのうち、柄物は1つか2つにして、ポケットチーフも無地や大人しい柄を選びます。
逆に、パーティシーンなどでは派手目のコーディネートがおすすめです。存分に個性を出してください。Vゾーンはビジネス風の大人しいコーディネイト よりも色や柄を足していきます。ポケットチーフも華やかにクラッシュドスタイルで挿しましょう。ダブルのスーツならではのエレガントなイメージに仕上がります。
襟元にボリュームがありますので、足元に少しボリュームのあるダブルモンクシューズや、穴飾りの入ったシューズなどがよく合います。
まとめ
いかがでしたでしょうか。ダブルのスーツもシーンや着こなしを間違わなければとても存在感のある素敵なスーツのデザインです。ダブルのスーツをチャレンジしたい人は、どこでどのように着るか、を考えて個性的なスタイルを目指してみてください。