一見礼服とビジネススーツは似ているように見えますが、違いが分からないと恥をかいてしまうことがあります。
それぞれの違いを理解し、シーンにあった服装を選ぶのも大人としてのマナーですよね。今回は礼服とビジネススーツの違いについて解説していきます。
礼服とは
礼服は冠婚葬祭に着用するフォーマルスーツのことを言います。
結婚式などの慶事や葬儀などの弔事で着用するので、ビジネスの場に着ていくスーツではありません。また礼服にはいくつか種類が存在します。
一番格式が高い正礼装、その次高い準礼装、一番下の略礼装の3つがあります。
一般的によく着られているのが略礼装である無地のブラックスーツです。慶事弔事共に着用可能なので、社会人になったら1着は持っておきたいスーツです。
礼服とビジネススーツの違い
礼服とビジネスブラックスーツの大きな違いは、黒の色味の濃さにあります。
礼服の黒は、光沢が少なく、漆黒色というくらい濃いです。
一方ビジネスブラックスーツは、シワに強い、ストレッチが効いている、など機能面を採用するためにポリエステルを含んでいる生地が多く、ウール100%に比べ、生地に黒の染料が入りづらいので、少しグレーに近いような黒に仕上がっています。
手持ちのスーツだけで見るとそこまで色の薄さを感じさせないですが、黒は同じ色が並ぶと差がはっきりと分かります。特に葬儀では、参列される方が皆礼服を着ているので、その中でビジネスブラックが一人いると浮いてしまいます。
※写真の右が礼服で左がビジネスブラック
礼服を選ぶ時のポイント
正礼装や準礼装は着る機会が少ないので、レンタルされる方がほとんどです。
略礼装のブラックスーツの方が着る機会が多いのでこちらは準備しておきましょう。そのうえでブラックスーツを選ぶポイントを抑えておきましょう。
礼服のサイズ
礼服とビジネススーツでは使用頻度が違うので、購入時のサイズにも注意したいです。
購入から5年から10年を想定してサイズを選ぶことをお勧めします。礼服にはオシャレはご法度なので、細見のシルエットよりは少し余裕のあるサイズ感がいいと思います。かと言って大きすぎるのもNGです。スラックスはアジャスターがあると少し体重が増えても、ウエスト調整が効くのでより長く着ることが出来ると思います。
礼服用の生地
先程もお伝えしましたが、ポリエステルが混合されていると余計な光沢が出てしまいます。礼服を選ぶときはウール100%を選びましょう。
礼服のデザイン
初めにシングルスーツかダブルのスーツの二つがありますが、どちらの形でもフォーマル度に違いはありません。ダブルのほうがご年配向けで貫録のあるようなイメージになります。
次にジャケットのお尻部分のスリットであるベントですが、こちらはベントが開かないノーベントが礼服仕様とされています。
裾の仕立てはシングルが原則。ダブルはカジュアルな雰囲気になるのでNGです。
日本と外国のブラックスーツの違い
これはちょっとした豆知識なので、覚えておくと得かもしれません。
実は外国人から見ると日本人はブラックスーツを着る頻度が高いとされています。ビジネスシーンや就職活動、結婚式、お葬式など。
しかし、外国人はブラックスーツ=お葬式というイメージが強いため、お葬式でしかブラックスーツを着ることがないそうです。外資系や外国人と取引きをする職種の方はブラックスーツは控えたほうがいいかもしれません。
日本では当たり前とされていることが海外では通用しない例があるので注意が必要です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
日本人は節約という文化が根付いているため、礼服とビジネススーツを一緒に使ってしまおうという意識が働いてしまいます。ですが、一つのマナーとして、礼服とビジネススーツは分けて使いましょう。