「あの人が着ているスーツ、高級感があっていいな」と上司や友人に対して思ったことありませんか?
そこには様々な理由が隠されているのですが、生地の「光沢」がその大きな理由です。
今回は高級感のあるスーツを演出する光沢は、どのような生地によって生み出されるのか?素材や注意点について解説します。
1. スーツに使われる代表的な素材
一般的なスーツでは、ポリエステルやナイロンなどのいわゆる「化学繊維」や、ウールやシルクなどの「天然繊維」などがあります。
それぞれの特徴を簡単にご説明します。
〇化学繊維
化学繊維は一般的に丈夫で伸縮性があり、シワになりにくいといった特徴があります。
大量生産が可能な為これらの化学繊維が使われたスーツは比較的安価で入手可能。
上記のようなメリットの反面、静電気が起きやすい、日光による黄ばみが発生するリスクが。
また天然繊維とは異なる独特のテカリが安っぽく見えてしまうこともあります。
〇天然繊維
スーツの素材で代表的なウールは、吸保湿性に優れています。織り方で春夏・秋冬と使い分けられます。
欠点としては、化学繊維に比べ虫食いの被害に遭いやすい、糸の細さによっては耐久性が低くなります。
品質の高いウールは、羊の油による自然な光沢が美しいのが特徴です。
2. 光沢感を演出する生地のポイント
光沢感のあるスーツには、いくつかのポイントがあります。
下記のポイントを理解すると理想のスーツに出会えるかもしれません。
2-1 素材
光沢のあるスーツにはいくつかの代表的な素材があります。
もっとも光沢の出る代表的な素材は、シルク。繊維の女王とも呼ばれ、超極細繊維の滑らかさと光沢は群を抜いています。パーティ用の華やかなスーツ用の生地には、ウールをベースにシルクが織り交ぜられていることがよくあります。
2-2 原産国・品質
原産国によっても、生地の光沢には違いがあります。
スーツ生地の代表的な原産国と言えば、イタリアやイギリス。イタリア生地は柔らかく、イギリス生地はハリ・コシがあります。
イタリアでは軽くて柔らかい生地を再現するために、一般的なウールよりも、より細くて柔らかいメリノウールを使用。またメリノ種の原毛自体が上質のため、美しいツヤが生まれます。
イギリスの生地は、柔らかさ、光沢といった面ではイタリアに劣りますが、比較的地厚で鎧のようなしっかりとしたスーツとなります。
このように、光沢以外にも柔らかさや丈夫さなど、好みによっておすすめの生地が異なります。
2-3.織り方
光沢の出やすい織り方と、比較的出にくい織り方があります。
スーツ生地の織り方は大きく分けて2種類ありますのでご紹介します。
〇平織り
・たて・よこそれぞれの糸を交互に交差させて作られる織り方。
・伸縮性はないが摩擦に強く通気性に優れる。光沢は控えめ。
〇綾織り
・たて・よこ糸を2本以上抜かして交差し作られる。
・摩擦には弱いが、生地自体は密で柔らかく、光沢が出やすい。
以上のようにそれぞれ、メリットデメリットはありますが、光沢の出やすさに関しては綾織りとなります。
3. 光沢のあるスーツを着る時の注意点
いざ、綺麗なツヤのあるスーツを手に入れたときもこんな時には注意が必要です。
お仕事の場面では、初めての取引先であったり謝罪しなければならないような場面では控えましょう。
光沢の強いシルク混のスーツは、一般的なスーツと比べ繊維が細いのでシワが入りやすいです。このようなスーツは、1度着用した後はしっかりと休ませるなどのデリケートな扱いが必要となります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。やはり光沢のあるスーツは魅力的です。どんなスーツを選べばよいか迷った時にはツヤありがおすすめ。
一言にスーツといっても、素材や織り方など様々です。それぞれのメリットを知っていれば自分の求めるスーツにグッと近づきます。