スーツをクリーニングに出したらラペルのロールがぺったんこになった経験はありませんか?
当店でもお客様から相談をよく受けます。
クリーニングに出してこのようになるのはショックも大きいですが、ご安心ください。
コツを覚えれば家庭用のアイロンを使ってラペルを復活させられます。
1. ラペルがつぶれる原因
クリーニング店によってはラペルを首元からロール部分までしっかり折り目を付けます。ラペルを起こすと折り目がくっきり。
決してクリーニング店の失敗ではなく、こうしたしっかりプレスが入れるクリーニングが好まれた時期もありました。
しかし、最近のスーツはラペルの返りをふわりとロールさせたスーツが主流ですので、立体感がなくなって見えます。
アイロンの蒸気をかければ直る場合もありますが、ここまで折り目が入るとアイロンを当てて折り目を消す必要があります。
2. つぶれたラペル(衿)を戻す道具
ご家庭にある①スチームアイロン ②アイロン台 ③当て布(ハンカチでOK)、の3つ。
3. スーツのラペルのアイロン手順
まずアイロンは中温に設定。スーツの表側をアイロン台にセットしてラペルを起こします。
折り目が付いたラペルを平らにし、当て布を敷きます。
(見やすいように当て布なしで撮影しています。アイロンは必ず当て布を置いてください)
釦の位置から15㎝位上までを目安に、スチームを出しながらアイロンを当て折り目を消します。
折り目が強い時は、霧吹きで折り目を湿らせると効果的。(※見やすくするため当て布を外して撮影)
折り目が消えたら、スーツの内側が表に出るように裏返します。
その時に、ラペルの返りはシワが寄っています。
これはラペルがロールするために外周と内周の差が余っているからです。このシワを消します。
手でシワをならしながら当て布を敷き、シワを消すようにアイロンを当てます。
スチームを出しながら軽く浮かせてプレスすると上手にかけられます。(※見やすくするため当て布を外して撮影)
シワがキレイに消え、ロール表側のボタンから15㎝位上部までの折り目も消えました。
もう一度ひっくり返して仕上げです。
ラペルの返りをチェックしてください。返りすぎている場合は折り目を少し下まで下げて調整します。
アイロンは浮かせながらプレスするのがコツです。(※見やすくするため当て布を外して撮影)
正面から見て右側はロールが復活したラペル。胸周りに立体感が出ました。
反対側のラペルも同様にアイロンをかければふわりとしたラペルに。
まとめ
いかがでしたでしょうか。ラペルの返り具合とシワの消し方にコツを要しますが、2、3回練習すればできます。出張でスーツケースに入れて折り目が入った場合も、ホテルでアイロンを借りれば簡単に直せます。ぜひお試しください。