オーダースーツを作る際に「ステッチ」って聞いたことはありませんか?
本切羽などは有名ですがステッチを知っている人は少ないです。
今回は、スーツのステッチの役割とその種類について解説していきます。
1.スーツのステッチとは何か?
ステッチとは主にスーツのエリの端についている縫い目のことです。
ステッチは上エリや下エリ、フロントライン・ポケット・ベントに入るのが一般的ですが、オプションで脇やダーツ部分、肩・袖・ズボンの脇に総ステッチとして入れることも可能です。
2.スーツのステッチの種類について
ステッチには多数の種類がありますのが、ここでは主に使われているAMFステッチとミシンステッチについて紹介していきます。
2-1 AMFステッチについて
手縫い仕様のステッチです。ミシンステッチよりも凹凸感が出るので、エリの印象を強くして高級感が出ます。
本来ステッチは手縫いで行われていましたが、手縫いで均一に入れるには熟練の技と時間が必要になります。
そこでアメリカの「アメリカン・マシン・アンド・ファウンドリー」が手縫い風のステッチができるミシンを開発しました。略してAMFと呼ばれています。
AMFのミシンはスローにローテンションでステッチを入れることで、手縫い風にすることが出来ます。
2-2 ミシンステッチについて
目の細かいミシンで入れたステッチです。
ミシンを使用するので単位を調整できます。
ミシンステッチはデザイン的な意味と入れておくとエリのエッジを長期間保つことが出来ます。
ステッチをエリの端に入れると上品さが出て、内側に入れるとカジュアルな雰囲気になります。
3.スーツの襟のステッチの役割
エリのステッチは端を落ち着かせるために抑えて型崩れを防ぎ、エリの形を綺麗に保つ役割があります。
スーツのエリには立体感を出すため馬毛の芯が入っています。
ステッチを入れて芯を馴染ませることによりふんわりと立体的なエリが出来、型崩れを防ぎます。
4.ステッチでオシャレを楽しむ
昨今ではデザインとしてステッチを入れる方が多いです。
エリのほかにも例えば総ステッチにしてアクセントにしてもいいでしょう。無地のスーツは雰囲気が変わります。
またステッチの色指定もできるので、袖穴の色を変更するオプションも人気です。
5.シーン別にみるステッチの有無
ビジネスシーンやお仕事での式典、結婚式にはステッチが入っていても問題ありません。
よりフォーマル度の高いタキシードや礼服にはもともとステッチが入っていないものが多いです。
もし礼服にステッチが入っていても問題なく使えるのでご安心下さい。
6.ステッチは入れた方がいいのか?
入れたほうがいいでしょう。エリはもちろんですが、フロントライン・・ポケット・ベントには入れた方がいいでしょう。
これはあくまで強度の問題です。量販店などのポリエステルが入っている硬い生地なら問題ありませんが、ゼニアやロロピアーナなどの高級生地はとても柔らかいので入れた方が安心です。
お店によっては無料で入れてくれるところあります。総ステッチはファッション的な役割が強いです。
まとめ
いかがだったでしょうか。普段あまり気にしないところですが。奥が深いステッチです。
ステッチは全部入れる必要はありませんが、エリやフロントなど必要な場所には入れておくと安心です。
またステッチを入れることでちょっとしたお洒落を楽しむこともできます。
オーダースーツならではのステッチをこだわりとして楽しんでください。