イタリアの高級生地メーカー、「エルメネジルド・ゼニア」。
そのゼニアを象徴する代表的な生地が、「トロフェオ(TROFEO)」です。
「大切な場面で、信頼感のある装いをしたい」
「派手ではないが、上質なものを身につけたい」
そんな方に、最初におすすめするのがトロフェオです。
1888年創業の銀座のオーダースーツ専門店が、トロフェオの魅力をお伝えします。
1. トロフェオとは? ゼニアの真髄と言われる理由

トロフェオは、厳選された極細のウールだけを使って織られるゼニアの看板生地です。
特徴は、しなやかさとハリの両立にあります。
店頭でトロフェオをお出しすると、お客様の身体がぐいっと前に出ます。
それまで少し緊張した面持ちでしたが、トロフェオ生地を目にした瞬間に前のめりに。
言葉には出されませんが、「想像以上だ」と表情に出ています。
手に取っていただくと、次は別の言葉が出ます。
「思っていた以上に、軽いですね」
極細ウールならではの柔らかさに加え、自然な張りを備えているため、仕立てたスーツは着る人の体のラインを品格ある立ち姿に整えてくれます。
見た目を着飾るための生地ではありません。着る人に品格を与える生地です。
トロフェオを「ゼニアの真髄」とお伝えする理由が、ここにあります。
2. 春・秋・冬の3シーズン着られる実用性
トロフェオの生地の重さは、約230〜240g/m。
この絶妙な生地ウェイトのおかげで、真夏を除く春・秋・冬、1年のうち9か月以上お召しいただけます。
「上質なスーツは欲しいが、季節ごとに何着も揃えるのは大変」
そんな忙しいビジネスマンにとって、1着で長い季節を任せられるトロフェオは、実用面でも合理的な選択です。
3. トロフェオとトラベラー、並べればその差が歴然
この章では、ゼニアの二枚看板であるトロフェオとトラベラーの違いを、実際に並べた写真でご覧いただきます。
ご来店のお客様から、いちばん多くいただくご質問がこれです。
「トロフェオとトラベラー、どちらがいいのでしょうか?」
どちらが上、というものではありません。性質が違います。

▲ 左 トロフェオ 右 トラベラー 同じ光で撮影
3-1 ツヤの出方が違います
写真の左をご覧ください。生地が折れた稜線に沿って、光が一本の帯になって伸びています。
右のトラベラーは、同じ角度で撮っているのに、光が生地の中に沈んで散っています。
トロフェオは、極細の糸を使うことで生まれる、繊細でエレガントな光沢です。
トラベラーは、糸を二本撚り合わせた強撚糸(きょうねんし・強くねじった糸)を使うため、光沢が控えめでマットに落ち着きます。
店頭でこの2枚を並べてお見せすると、多くの方が左に手を伸ばされます。
ただ、その手を止めて、こう申し上げることがあります。
「お仕事で出張や移動は多いですか?」
3-2 どちらを選ぶかは着る人の仕事内容で決まる
トロフェオを選んでいただきたいのは、人と会う場面が仕事の中心にある方です。
初めてお会いするお客様との商談。人前に立つ講演。装いで信頼を示したい席。そうした場面で、トロフェオの光沢は印象を良くします。
一方、トラベラーを選んでいただきたいのは、出張や長距離の移動が多い方です。
強撚糸には、シワになりにくく元に戻りやすいという性質があります。スーツケースに入れて運ぶ、新幹線に長く座る。そういう使い方に向いています。
3-3 迷った時には
目安としてお伝えしているのはこの質問です。
「1週間のうち、移動している時間と、人と向き合っている時間。どちらが長いですか」
人と向き合う時間が長い方はトロフェオを。移動が長い方はトラベラーを。
もちろん、両方お持ちいただくのが理想です。実際、最初の一着をトロフェオで作られた方が、二着目にトラベラーを選ばれることは珍しくありません。
あわせてお読みください。
4. ゼニア生地の中で、トロフェオの位置付けは?
この章では、ゼニアの主な4つの生地を価格順に並べ、トロフェオがどこに位置するのかをご覧いただきます。
「ゼニアの生地に、ランクはあるのですか?」
これも、よくいただくご質問です。
はっきりとした序列があるわけではありません。
ただ、価格には差があります。そして、その差は品質の優劣というより、何を優先して作られた生地かの違いによるものです。
| 生地 | 税込 | 着用季節 | 光沢 | 向く方 |
|---|---|---|---|---|
| 15ミルミル | 242,000円 | 春 秋 | 最も繊細 | 最高級をお求めの方 |
| トロフェオ | 187,000円 | 春 秋 冬 | 繊細で上品 | 人と会う機会が多い方 |
| トラベラー | 154,000円 | 春・秋・冬 | 控えめマット | 出張・移動が多い方 |
| エレクタ | 154,000円 | 秋・冬 | 落着いたツヤ | 丈夫さを求める方 |
4-1. トロフェオは、頂点ではありません
表をご覧いただくと分かる通り、ゼニアの最高峰は15ミルミルです。糸の細さでは、トロフェオは15ミルミルに及びません。
それでも、私どもがトロフェオを最初にお見せするのには理由があります。
15ミルミルは、繊細さを突き詰めた生地です。その分、扱いには気を遣います。着られる季節も春と秋に限られます。
トロフェオは、上質さと実用性が釣り合う場所にあります。春・秋・冬の3シーズン着られて、光沢は十分に美しい。一着目に選んで後悔しにくい生地です。
4-2. 価格が同じでも、選ぶ理由は違います
トラベラーとエレクタは、どちらも154,000円です。同じ価格ですが、選ばれる理由はまったく異なります。
トラベラーは、移動の多い方のための生地です。シワへの強さが選ぶ理由になります。
エレクタは、秋冬に着る一着をお探しの方のための生地です。季節が選ぶ理由になります。
生地選びで迷われたら、価格から入らないことをおすすめします。先に「いつ、どこで着るか」を決める。そこから絞ると、選択肢は自然と少なくなります。
5. トロフェオのスーツがふさわしい場面

トロフェオで仕立てたスーツは、こんな場面で力を発揮します。
- クライアントとの初顔合わせ
- 商談や講演など、人前に立つ場面
- フォーマルすぎず、崩しすぎないビジネス会食
「きちんと感」は欲しいけれど、堅苦しすぎるのは避けたい。
そんな「ちょうど良さ」を求める場面で、トロフェオは最適解となります。
6. 色柄のバリエーションとコレクション
トロフェオは、コレクションの数でもゼニアの中で群を抜いています。
ゼニアが展開するコレクションの数で見ると、トロフェオはトラベラーのおよそ1.5倍から2倍。ゼニア社がもっとも力を入れている生地であることが、その点数からも伝わってきます。
種類が多いということは、選べるということ。
同じネイビーでも、光沢の出方や織りの表情が少しずつ違います。その中から、お仕事の場面とお好みに合う一枚を絞り込んでいきます。
トロフェオには、定番のネイビーやグレーの無地から、控えめな柄入り、明るめのトーンまで、ビジネスに適した上品な色柄が揃っています。
実際にお仕立てしたトロフェオのスーツをいくつかご紹介します。
▲ ネイビーのシャドーストライプ 光の角度でストライプが浮き出る上品な色柄
▲ チャコールグレーのシャドーストライプ 落ち着いた色柄にも高級感
▲ ダークネイビー無地スーツ 品質の良し悪しがよくわかるのが無地
▲ 左 ライトグレーのストライプ 右 ダークネイビーのダブルスーツ
画像ではお伝えしきれない色味の深さと仕立て映えは、ぜひ実物をご覧ください。
7. シワになります。ただ、戻ります
この章では、トロフェオの弱点を正直にお伝えします。
ここまで良い点ばかりお伝えしてきましたので、公平を期して弱点も申し上げます。
トロフェオは、シワが寄りやすい生地です。
7-1. 理由は、長所そのものにあります
極細の糸を使っているためです。細い糸ほど、しなやかで美しい光沢が出ます。
その代わり、折れ曲がった跡が残りやすくなります。
3章でご覧いただいた写真で、トラベラーの光沢が控えめだったのを思い出してください。
あれは糸を撚って強くしているからで、その分シワには強いです。
7-2. スチームを、軽く当ててください
ただ、トロフェオのシワは戻ります。
上質な糸には、元の形に戻ろうとする力があります。ハンガーに掛けて、スチームを軽く当てるだけで、膝や肘のシワは引いていきます。
- 着用した日は、ハンガーに掛けて一晩休ませる
- シワが気になるときは、スチームアイロンを軽く当てる
- 毎日続けて着ないで、一日おきに休ませる
この3つを守るだけで、生地の持ちがはっきり変わります。
「毎日同じスーツを着ている」
そうおっしゃるお客様には、2着で回すことをおすすめしています。
一日休ませたスーツは、繊維が元の形に戻ります。2着を交互に着るほうが、1着を着倒すより長く着用できます。
7-3. それでも、トロフェオをおすすめする理由
シワが寄りやすいと申し上げましたが、これを理由にトロフェオを避けるお客様は、ほとんどいらっしゃいません。
スチームで戻ると分かれば、気にならなくなるからです。
もし移動が多く、どうしてもシワが気になるという方は、トラベラーをお選びください。
弱点を知ったうえで選んでいただく。そのほうが、長くご満足いただけると考えています。
8. トロフェオのオーダースーツの値段

当店では、トロフェオのオーダースーツを上下187,000円(税込)でお仕立てします。
仮縫い付きの本格オーダーをご希望の場合は、仮縫い代として上下27,500円(税込)を別途申し受けます。
ゼニアの他の生地の価格は、4章の生地一覧表でご覧いただけます。
なお、アルマーニやブリオーニといった世界の一流ブランドも、ゼニアの生地を採用しています。
9. まずは、トロフェオを手に取ってください

ゼニアの中でも、もっとも支持されている生地が「トロフェオ」です。
その理由は、単なる「高級感」ではありません。誰の前でも、自分らしく堂々と振る舞える一着だからです。
ご来店のご案内
トロフェオの光沢と、先にお伝えしたシワのつきやすさ。どちらも実物をご覧いただくのが一番の判断材料になります。店頭で生地をさわっていただければ、戻り方具合までしっかりとお分かりいただけます。
銀座駅から徒歩5分のお店にて、ご用途をうかがいながら、トロフェオがお客様の用途に合うかどうかも含めてお話しします。

スプレーモ銀座店
中央区銀座6-7-16 岩月ビル4F
東京メトロ銀座駅から徒歩約5分








