吊るしのスーツ”という言葉をよく耳にすると思います。
「立場が上がったのにまだ吊るしのスーツ着てるの?」
「どこのスーツですか?吊るしですか?」
このような会話もよくあることですが、
しかし、そもそも吊るしのスーツってどのようなものでしょうか。
今回は吊るしのスーツについて解説し、スーツを新調する際に何を基準にするとコスパの良いスーツが手に入るかをご紹介します。
1. 吊るしのスーツとは
吊るしのスーツとは、既製品のスーツを指します。オーダースーツの対義語です。
スーツはイギリスが発祥とされ、お客様はテーラーに注文し、採寸して、合ったサイズで仕立てるオーダースーツが主な購入方法でした。
しかし、スーツの文化がアメリカに渡り、合理的な販売方法が生まれました。あらゆる身長体重の体に合わせたサイズのスーツをあらかじめ作っておき店頭に吊る方法です。
スーツが店頭のラックにハンガーで吊るされた姿から、既製品のスーツは“吊るしのスーツ”と呼ばれるようになりました。
現在日本でも大手スーツ専門店や、ブランドショップのスーツなどはこの“吊るし”のスタイルを採用しています。
2. 吊るしのスーツのメリット
吊るしのスーツは欲しい時にすぐ手に入るのが最大のメリットです。購入して裾上げをすればすぐに着用出来ます。
直近に着用予定が出来てしまったり、時間の無い時には大変便利です。
また、既製品は新作の開発スピードが速いです。トレンドを常々研究し、デザインやシルエットもシーズンごとにアップグレードされます。
型紙やシルエットの開発はコストがかかりますが、大量生産がもたらすメリットの一つと言えます。
3. 吊るしのスーツのデメリット
自分に合ったサイズを見つけにくいことがデメリットです。
正しいスーツのサイズは肩、袖、着丈、胸回り、胴回り、ウエスト、ヒップ、と最低でもこの箇所を合わせる必要があります。
しかし、吊るしのスーツでピッタリ満足いくものを見つけるのは至難の業です。
お直し箇所が多くなれば多くなるほど、時間も費用も掛かります。
また、「サイズが見つかったのに、生地が気に入らない。」「3ピースだったらかったのに。」といった不具合も吊るしのスーツには起こりがちです。
4. 吊るしのスーツとオーダースーツの比較
吊るしのスーツとオーダースーツいったいどちらがいいの?とよく言われますが、コストパフォーマンスを考えるとオーダースーツが良いと言えます。
サイズは既製品でピッタリなものが見つかったとしても、それは長さや緩さなどの寸法までしか合っていません。
本来人の体は反った体や猫背といった前後の傾き、肩の左右の傾きもあります。腰の位置、腕の引き具合、胸巾と背幅も人によりさまざまです。
それらはスーツの寸法だけではどうしようもなく、オーダースーツで体型補正という型紙修正を行う事できれいに直ります。
オーダースーツは時間もかかりますし、同じ生地ランクのスーツで比較したら価格も高くなるかもしれませんが、仕上がりはそれだけの価値があります。
スーツが作業着のように酷使される環境であったり、人と会う機会が少なければ、普段用と大事な場面用で吊るしとオーダースーツを分けることもコストパフォーマンスを上げる方法です。
吊るしとオーダースーツのまとめ
いかがでしたでしょうか。吊るしのスーツはどの様なものかお分かりいただけましたでしょうか。
スーツを着る目的は人によって異なります。それぞれのメリットデメリットを覚え、上手に使い分けることでコストパフォーマンスの高いスーツが手に入ります。ぜひ今後のスーツ購入のご参考にしてください。