「スーツなんて見た目が良ければどれも同じ」と思っていませんか?
実は、それこそが ”損をするスーツ選び” の落とし穴です。
本物の高級スーツは、生地の質と仕立ての精度によって美しいシルエットを作り出します。それらの違いが着る人の印象を大きく変えます。
しかし、こうした違いを見極められる人は少なく、多くの人が ”なんとなく” で選んでいます。
この記事では高級スーツが持つ本当の価値と、高級スーツの選び方のポイントを解説します。
1.高級スーツの定義(価格・ブランド・仕立ての違い)
高級スーツと一般的なスーツの違いはいったいどこにあるのでしょうか。
それを理解するためには、まず「高級スーツとは何か?」明確にしていきます。
1-1 高級スーツの価格帯
高級スーツは、その素材や仕立ての違いにより、以下のような価格帯に分かれます。
•3万円~10万円:既製スーツ、エントリークラスのオーダースーツ
•10万円~40万円:上質なオーダースーツ、高級ブランドの既製品
•40万円以上:一流ブランドのオーダーメイド、フルハンドメイドスーツ
もちろん、価格が高ければ良いスーツというわけではありませんが、 「なぜ高価なのか」 を知ることが高級スーツ選びの第一歩になります。
1-2 高級スーツブランドの代表例
ブランドによってコンセプトや仕立ての違いがあります。代表的なブランドを紹介します。
•ゼニア(Ermenegildo Zegna):世界最高峰のウール生地とトレンドを意識した豊富なコレクションが特徴
•ブリオーニ(Brioni):エレガンスを追求したイタリア最高峰のブランド スーツ上代90万円超
•キートン(Kiton):ナポリ仕立ての最高級スーツ スーツ上代90万円
•ジョルジオ・アルマーニ(Jorgio Armani):言わずと知れた有名ブランド スーツ上代60万円
•ロロ・ピアーナ(Loro Piana):ユニセックスのソフトな触り心地と柔らかな色合いが特徴
1-3 仕立ての違い(パターンオーダー フルハンドメイド)
仕立ての種類 | |
パターンオーダー | 既製服をもとにサイズを合わせて修正する |
イージーオーダー | あらかじめ用意されている型があり、体型に応じて細部を修正する |
フルオーダー | 採寸をもとに型紙を作り、仮縫い、調整して仕立てる |
フルハンドメイド | 上記と型紙を作るまでは同じ。全工程を手で仕上げる |
高級スーツは、 採寸データをもとに仮縫いをすることで、細部に至るまで着心地を向上させます。
2.高級スーツに使用する生地の種類と特徴
スーツの品質を決める最大の要素のひとつが「生地」です。
高級スーツでは、上質な天然素材が使われ、着心地や風合いが大きく変わります。
2-1 高級スーツの主な生地種類
生地の種類 | 生地の特徴 |
ウール(Wool) | 高級スーツの定番。Super120’s以上は高品質 |
カシミヤ(Cashmere) | 柔らかく光沢があり、冬用スーツに最適 |
モヘア(Mohair) | ハリとシャリ感があり、夏向けのスーツ生地 |
リネン(Linen) | 軽やかで通気性が良いが、シワができやすい |
シルク(Silk) | 上品な光沢が特徴。混紡として使われることが多い |
一般的に高級スーツにはウール糸を使用します。中でも、スーパー120以上の細番手の高品質なウール生地が高級スーツに使われます。
2-2 スーパー ◯◯’sとは?
「この生地はスーパー◯◯の糸で作られています」という説明を耳にしたことがあると思います。
この「スーパー100’s」「スーパー150’s」などの表記は、ウールの繊維の細かさを示しています。
数値が高いほど糸が細く、柔らかくなりますが、耐久性はやや低くなります。しかし、高級スーツを着る方はこうしたことよりも生地の質感や艶を重視されるので、 高級スーツにはスーパー120’s~150’sが選ばれます。
3. 高級スーツと既製品の生地の違い
ここでは、高級スーツに使われる生地について解説します。
一目でわかる高級生地の上質感
高級スーツには、イタリアやイギリスなどの高価な素材が使われます。
ゼニアをはじめとする高級スーツ生地は、その上質な艶と滑らかな風合いにより、一目で高級感を感じさせます。
生地に詳しくない方でも、その光沢や質感の違いを直感的に理解できるでしょう。
ゼニアの生地は特に手触りが柔らかく、肌に優しく馴染むのが特長です。長時間の着用でもストレスを感じにくく、しなやかさと軽さを兼ね備えています。優れた生地として世界中のエグゼクティブから支持されています。
4. 高級スーツと既製品のフィット感の違い
高級スーツは自分の体型にジャストフィットします。
ここでは、どのようなフィット感になるのかを解説します。
4-1 高級スーツは身体にジャストフィット
高級スーツの魅力は、その洗練されたデザインや生地の質感だけではありません。
最大の特長は、“完璧なフィット感”にあります。フルオーダーが主流の高級スーツは、既製品とは一線を画す着心地です。
まず、経験豊富なフィッターが細かく体のサイズを採寸し、あなたの骨格や姿勢、クセまでも考慮してパターンを作成。
その後、仮縫いを着用しながら微調整を重ね、わずか数ミリ単位で最適なシルエットを導き出します。こうして完成したスーツは、まるであなたのために生まれたかのような一着に仕上がるのです。
「スーツの見た目はサイズで8割決まる」と言われるほど、スーツのサイズ感は人の印象を大きく左右します。
完璧にフィットしたスーツを纏うと、背筋が伸び、自然と自信がみなぎるはずです。
世界に一着しかない、自分だけのスーツ。その特別な一着が、あなたの魅力を最大限に引き出し、どんなシーンでも自信と品格を演出してくれます。
4-2 高級スーツの動きやすさ
快適な着心地のフルオーダースーツ
スーツのサイズが自分の体にぴったり合うと、見た目がすっきりと整うだけでなく、驚くほど動きやすく、着心地も格段に向上します。
フルオーダースーツは、単に身体のサイズを測るだけではなく、肩の傾斜や姿勢のクセなど、個人の特徴を考慮して設計されます。
これにより、どんな動きにも自然にフィットし、窮屈さを感じることなくスムーズに動くことができます。上着を羽織った瞬間の軽やかさと心地よさは既製品では決して味わえないものです。
身体の曲線に沿うように計算されたパターンと、美しいシルエットを生み出す縫製によって、スーツは第二の皮膚のように馴染みます。これにより、腕を上げる、座る、歩くといった動作がスムーズで、長時間の着用でもストレスを感じません。
フルオーダーだからこそ手に入る、見た目の美しさと動きやすさの融合。その特別な着心地を、一度体験すれば手放せなくなるでしょう。
5. 高級スーツの縫製
ここでは、縫製や仕立ての違いについて解説します。
5-1 高級オーダースーツは手縫いが多い
スーツの縫製には、大きく分けてミシンを使う「マシンメイド」と、職人が一針一針仕上げる「手縫い(オールハンドメイド)」の2種類あります。
既製品のスーツはほとんどがマシンメイドで、大量生産に適した縫製方法です。これはコストを抑えつつ一定の品質を維持するための手法ですが、柔軟性や着心地は手作業には及びません。
一方で、高級スーツはマシンと手縫いを組み合わせて仕立てられます。
例えば、耐久性が求められる直線的な部分にはミシンを使って、肩周りやエリなどの動きに影響する部分は、職人が手作業で縫い上げます。手縫いならではのゆとりが生まれるので、スーツは体の動きに馴染み、自然な着心地になります。
このように、高級スーツは縫製技術の違いによって、既製品とは一線を画す仕上がりになります。職人による丁寧な手仕事が、スーツの美しさと快適な着心地を生み出しています。
5-2 高級オーダースーツは立体的
高級スーツは、仕立ての技術によって立体的に作られ、身体に馴染むよう設計されています。そのシルエットは、着る人の体型を美しく引き立て、洗練された印象を与えます。
たとえば、ウエストにはしっかりとくびれを持たせることで、スタイルが引き締まって見え、肩周りには適度な丸みを持たせ、ジャケット全体が体の動きに寄り添うように仕立てられています。
これらによって、スーツを着るだけで体のラインが美しく整って、洗練された印象を与えてくれます。
一方で、既製品のスーツは、より多くの人の体型に合うように、あえて立体感を抑え、平面的に作られています。その結果、体にはフィットしにくく、スーツ本来の美しいシルエットが損なわれがちです。また、腕や肩のラインに微調整が加えられていないため、動きにくさを感じることもあります。
既製スーツとは違う高級スーツのその緻密な仕立ての違いが、圧倒的な差を生み出しています。
6. デザインの違い
高級スーツはデザイン性も既製品のスーツに比べて優れています。
既製スーツと高級スーツのデザインの違いについて説明します。
6-1 高級オーダースーツのタイムレスなデザイン
高級オーダースーツは、デザイン面でも既製品のスーツとは一線を画します。
既製品のスーツが流行に合わせて頻繁にモデルチェンジするのに対し、高級スーツは長く愛用できるタイムレスなデザインを採用しています。
近年、ファストファッションの影響により、流行サイクルは加速度的に速くなっています。既製スーツも、細身のシルエットが流行すればタイトなデザインに、逆にオーバーサイズのトレンドが来ればシルエットを大きく変えるなど、時代に合わせたデザインになります。
しかしその結果、数年経つと「時代遅れ」となって、買い替えが必要になるケースが少なくありません。
一方、高級スーツはトレンドに左右されない普遍的なデザインが中心です。クラシックなシルエットは、どの時代にも通用する洗練された印象を与えます。
ジャケットのラペル幅やパンツのシルエットも、流行に流されることなく、最も美しく見える黄金比で作られます。時代を超えて着られるため、長期間愛用できるのが大きな魅力です。
さらに、高級スーツは仕立ての良さによってシルエットが美しく、年齢を重ねても品格を保ちながら着こなすことができます。
流行に左右されることない高級オーダースーツは、まさに一生ものの価値を持つ一着です。
6-2 フルオーダースーツで叶える、自分だけの理想の一着
既製品のスーツは、基本的に店頭に並ぶデザインの中から選びます。
そのため、「生地は好みだけれどシルエットが合わない」「デザインは気に入っているのに着心地がしっくりこない」といった悩みを抱えることも少なくありません。
一方で、高級なフルオーダースーツなら、自分好みに細部までカスタマイズできるため、理想の一着を手に入れることが可能です。
生地の種類や色、襟の形、カフスやポケットのデザイン、裏地の柄やステッチの色などの選択肢が豊富。自分のスタイルやこだわりを反映させて、既製品では実現できない唯一無二のスーツが完成します。
また、体型に合わせて設計されるため、肩のラインやウエストのシェイプ、袖丈やパンツの長さなども最適なバランスに調整可能。これにより、見た目の美しさと快適な着心地も兼ね備えたスーツが仕上がります。
フルオーダースーツは単なる洋服ではなく、自分自身の魅力を最大限に引き出すアイテム。
細部にまでこだわり抜いた一着は、着るたびに自信を与え、長く愛用できる特別なスーツとなるでしょう。
7. 既製品のスーツのメリット・デメリット
ここでは、既製品のスーツのメリットとデメリットを説明します。
7-1 既製品スーツのメリット
既製品スーツの最大の魅力は、その手頃な価格と即時性にあります。
多くのブランドや店舗で豊富なバリエーションが用意されており、購入したその日に着用できる手軽さは大きなメリットです。
特に、急な場面でスーツが必要になった際、すぐに用意できるのは大きな利点といえるでしょう。
また、既製品のスーツは大量生産されるため、コストが抑えられ、比較的安価に購入できます。
初めてスーツを購入する人にとっては、コストパフォーマンスの良さが魅力的です。
7-2 既製品スーツのデメリット
しかし、その一方でデメリットもあります。
既製品のスーツは標準体型で作られているため、選べるのは基本的にサイズや色の違いのみ。腕や脚の長さが平均と異なる場合、シルエットが崩れやすく、体にフィットしない着心地の悪さを感じることも少なくありません。
さらに、既製品のスーツは一定のパターンに基づいて裁断されているため、着用者の体型変化には対応しにくく、数年後に修理して着用するなどには不向きです。
既製品スーツを選ぶ際には、こうしたメリットとデメリットを理解し、自分に合った選択をすることが重要です。
8. 高級スーツのメリット・デメリット
高級スーツのメリットとデメリットを解説します。
8-1 高級オーダースーツのメリット
高級スーツの最大の魅力は、オーダーメイドならではの「自分に合うスーツ」を手に入れられることです。
高級オーダースーツは、着る人の好みを細かくヒアリングし、体型に合わせた採寸を行うことで、細部に至るまでこだわり抜かれた一着が完成します。
ウエストや肩、袖丈、パンツのシルエットなど、体型に合わせた調整が可能なため、フィット感と美しいシルエットを実現できます。
さらに、高級スーツは流行に左右されにくく、長期間にわたって愛用できるデザインが多いのも特徴です。
クラシカルで洗練されたスタイルは、どの時代でも通用するエレガントな印象を与え、年齢を重ねても品格を損なうことなく着続けられます。
8-2 高級オーダースーツのデメリット
クラシカルなデザインを基本としているので、人によっては「伝統的すぎる」と感じることもあります。
トレンドを取り入れたデザインが好きな方にとっては、シンプルで普遍的なスタイルが物足りなく映ることがデメリットとなるかもしれません。
また、オーダーのため、完成までに時間がかかる点や、価格が既製品に比べて高くなります。
9. 高級スーツをオーダーする際の注意点
高級オーダースーツは、注文を受けてから一着ずつ仕立てられるため、完成までに時間がかかります。
一般的に、仕上がりまでには約2カ月前後を要するため、特定のイベントなどで着用を考えている場合は、余裕を持って注文することが大切です。
特に初めてオーダーする場合は、採寸やフィッティング、細部のデザイン決定に時間がかかることもあります。また、オーダー後も仮縫いや調整が必要になるケースがあるため、重要な予定から逆算して早めに行動しましょう。
一方で、2着目以降のオーダーはスムーズに進めることができます。
店舗には採寸データや過去のオーダー履歴が残っているため、体型に大きな変化がなければ、新たに細かく採寸する必要はありません。
生地やデザインの選択だけで注文できるため、初回よりも短期間で仕上がります。また、過去のスーツのフィット感や着心地を踏まえて、微調整もを加えることができます。
高級スーツは長く愛用できる一着だからこそ、余裕を持ってオーダーすることが重要です。
10 高級スーツと既製品ののまとめ
自分だけの一着を手に入れる
高級スーツとは、高級ブランドが販売するスーツや、オーダーで仕立てられるスーツのことを指します。
価格の違いだけでなく、生地の品質、デザインの洗練度、そして何よりも体にフィットする仕立ての精度において、既製品のスーツとは大きく異なります。
既製品のスーツは、標準体型に合わせて大量生産されるため、サイズやデザインの選択肢が限られます。
一方、高級オーダースーツは細部までこだわることができ、襟の形やボタンの種類、裏地に至るまで、自分の好みに合わせた一着を仕立てることが可能です。
また、立体的な仕立てにより、美しいシルエットと快適な着心地を両立し、長時間の着用でもストレスを感じにくいのが特徴です。
スプレーモのこだわり
スプレーモは、仮縫い付きの高級フルオーダースーツ専門店として、一人ひとりの体型や要望に合わせた理想のスーツをお仕立てしています。
当店では、世界的に評価の高いイタリア・ゼニアの最高級生地に特化したフルオーダーのスーツを提供しています。
ゼニアの生地が持つしなやかな質感、上品な光沢を最大限に活かし、お客様にとって特別な一着に仕上げます。自分にぴったりのスーツをお求めの方は、ぜひ一度スプレーモへご相談ください。