近年、ビジネスシーンの服装は以前より柔軟になりました。
しかし、高品質なスーツを着用する際には、品格ある着こなしが求められます。食事や挨拶にマナーがあるように、スーツの着こなしにも「相手に敬意を示す」マナーが存在します。
ここでは、オーダースーツを選ぶ方・スーツにこだわる方だからこそ知っておきたい、基本かつ実践的なスーツマナー6選を解説します。
正しい着こなしで、信頼感と品格を演出しましょう。
1. ブラックスーツはビジネスシーンで避ける

ブラック無地のスーツは、基本的に礼服として扱われます。冠婚葬祭やフォーマルな場で着用するもので、日常のビジネスシーンでは不適切です。
「もったいないから」とブラックの無地スーツを仕事で使うのは控えましょう。
暗めの色がお好みの場合は、濃紺(ネイビー)やチャコールグレーがおすすめです。
※ただし、ストライプ入りのブラックスーツであればビジネスでも問題ありません。
2. 上着ボタンの正しい留め方
2-1.フロントの一番下のボタンは留めない

2ボタン、3ボタンのどちらでも共通する基本マナーです。
フロントの一番下のボタンは装飾的な飾りの意味合いで付いており、留めると裾の美しいカーブが崩れてしまいます。
2-2.座るときはボタンを外す

座る際にボタンを外すのはマナー違反ではなく、むしろスーツを美しく保つための正しい作法です。
ボタンを留めたままだとジャケットにシワが寄り、見た目が損なわれます。
座るときにはボタンを外しましょう。
3. ポケットに物を詰め込まない

スーツの美しいシルエットはポケットの膨らみで台無しになってしまうことも。
財布やスマホなどはバッグや内ポケットに収め、スーツの外ポケットは極力空にするのが理想です。型崩れ防止のためにも意識しましょう。
4. センタープリーツ(折り目)の維持

スラックスのセンタープレスは、スーツ姿をスマートに見せる重要なポイントです。折り目が取れかけていると、だらしない印象になりかねません。
自宅で簡単に復活させる方法は以下の通りです。
- スチームアイロンの蒸気で軽くシワを伸ばす
- 当て布をして、センターラインを意識しながら軽くプレスする(押し当てるイメージ)
センタープレスの維持は、スーツの格を保つ秘訣です。
※詳しくはこちらでご説明しています。

5. 靴下はダーク系&ロング系を選ぶ

スーツに合わせる靴下は、黒・濃紺・ダークグレーなどのダーク系が基本です。
さらに、座ったときに素肌が見えないよう、くるぶしより長いタイプ(ロングホーズ)を選ぶのがベストです。
靴下の選び方ひとつでスーツ姿の印象が大きく変わります。
スーツにおける靴下の詳しい解説はこちら

6. サイズ感も重要なマナー
オーダースーツの魅力はサイズ感にあります。以下の基準を押さえておきましょう。
- 上着:ウエストに適度なシェイプがあり、着丈はお尻が隠れる長さ
- 袖丈:シャツの袖が1cm程度のぞく長さ
- スラックス丈:靴に裾が軽く当たる「ハーフクッション」または「ワンクッション」
奇抜な細身・ルーズ過ぎるサイズは避け、上品さを意識してください
※ 細かなチェックポイントはこちらから


まとめ
スーツは単なる服ではなく、相手への敬意やビジネスマナーを示すツールです。
特にオーダースーツを選ぶ方は、着こなしにまで気を配ることで、周囲からの信頼感や好印象につながります。
「スーツの着こなし」「スーツマナー」を学び、ビジネスシーンでの存在感を高めていきましょう。