スーツの上着をジャケットとして?それぞれの違いを徹底解説!

「スーツはいつもスラックスが先にダメになってしまう…」そんな声をよく耳にします。

上着よりもスラックスの方が立ち座りの動作で生地が引っ張られるため、どうしても負担がかかって傷みやすくなります。

すると、「スラックスはダメになったけど、まだまだキレイなスーツの上着を、単体のジャケットとして活用できないだろうか?」と考える方も多いのではないでしょうか?

ですが、スーツの上着とジャケットは見た目が似ているようでいて、実は異なる点がたくさんあります。それらの違いを知らずに着ると、スタイルがちぐはぐに見えてしまうことも…。

では、スーツの上着は本当にジャケットとして使えるのか?

その答えを知るために、まずは「スーツの上着」と「ジャケット」の違いを詳しく見ていきましょう!

1. スーツの上着とジャケットの違い

一見どちらも同じ「上着」なので、違いがなさそうに思えますよね。でも、実は細かなディテールが異なり、それによって印象が大きく変わるのです!

例えば、以下のようなポイントに違いがあります。

1-1 スーツとジャケットの生地の違いとは?

スーツの生地はスラックスとセットで統一感を持たせるために、滑らかなプレーンな素材が多いです。

一方、ジャケットは単体での着用が前提なので、ツイードやリネンなど、カジュアルな素材も豊富にあります。

落ち着いた色柄のジャケットと同色系のスーツとでは遠目で見たときには同じように見えますが、よく見ると細かい部分で様々な違いがあります。

まず生地の違いを簡単に下記でご紹介します。

〇 スーツ生地

スラックスとしての耐久性を保つため、目が詰まっていてツヤがあります。色柄は比較的抑え目な印象で、ダーク系が多いです。

スーツ用の生地

〇 ジャケット生地

雰囲気を出すために甘く織られていることが多く、さまざまな素材を混合していることが多い。

春夏はシルクやリネン、秋冬はカシミヤなど季節感も特徴的。色柄は多岐にわたり派手な色使いも見られる。

ジャケットの生地

1-2 スーツとジャケットの仕立て

スーツとジャケットでは、そもそもの仕立てが異なることが多く見られますので、いくつかご紹介します。

〇 スーツ

肩回りはパットが入りやや構築的。腰ポケットはフラップが付いていて、内側にポケットが内蔵されています。

ネイビーのスーツ

ストライプスーツ生地

ネイビーストライプスーツ生地

〇 ジャケット

ジャケットには、カジュアルなパッチポケットが施されていたり、ボタンのデザインに遊び心が加えられていたりと、リラックスした印象を与えるディテールが多く取り入れられています。

芯地は軽やかさを出すために極薄のものを使用する「アンコン仕立て」が中心です。

着丈はスーツよりもやや短めにした長さです。

1-3 スーツとジャケットのディテール

こうした細かな違いを知ることで、「スーツの上着をジャケットとして着ても違和感はないのか?」といった疑問に対する答えが少しずつ見えてきます。

上手に着こなせば、スーツの上着もジャケットのように使える可能性は十分にありますが、いくつか押さえておくべきポイントがあるのも事実です。

次の章では、スーツの上着をジャケットとして活用するための具体的なポイントを解説します。

着こなしのコツをしっかりチェックして、スーツの上着をもっと賢く使いこなしましょう!

2. スーツの上着はジャケットとして使える?

スーツの上着をジャケットとして違和感なく着こなすためには、いくつかのポイントを押さえることが重要です。

適切なコーディネートを意識することで、スーツ特有のフォーマルな印象を和らげ、自然にジャケットとして馴染ませることができます。

2-1 実際のコーディネート

まず、ツヤがあって生地表面がツルッとしたスーツの上着を、ややカジュアルなスラックスに合わせてみました。

ジャケットスラックスのコーディネイト

いかがでしょうか?なんとなく不自然に感じませんか?

ボトムスをややカジュアルに外したスタイルにフォーマルなスーツの上着を合わせると少しちぐはぐな印象になってしまいます。

次に、ツヤ感のあまりないバーズアイと呼ばれる細かな織り柄のジャケットを、グレーのスラックスに合わせてみました。

ジャケット専用生地

ジャケット生地用

どうですか?1枚目よりもジャケパンとして見えると思います。

ツヤを抑えた生地ですが作りはスーツなので、グレーのスラックスを合わせて全体的にややフォーマルにまとめました。

2-2 条件が揃えば使用可能

上記のように、例外としてジャケットとして着回すことのできるスーツの上着も、いくつかはあります。

そこでそのポイントをご説明します。

〇 光沢の無い生地

〇 チェックなどのカジュアルな柄使い

〇 きめ細かな無地ではなく、バーズアイなどの織り柄

ジャケット生地の種類

スーツとジャケットの違いのまとめ

スーツとしての生地でも、上記のように一定の基準をクリアすれば、ジャケット単品として使うことも出来ます。しかし、ファッションの知識が必要な上級テクニックです。

もったないからと節約を優先してカッコ悪いコーデになってしまっては本末転倒です。

どうしてもという場合は、今回ご紹介した内容も含め、ジャケットとして使えるかをしっかりと見極めましょう。