ビジネスシーンにおける服装が柔軟になった昨今ですが、スーツを過度に着崩すことは好まれません。
食事や挨拶にマナーがあるように、スーツの着方にもいくつかの大切なマナーがあります。
今回紹介するのは、細かくて難しいマナーではなく、あくまで基本的なものを中心にしています。
だからこそ是非覚えて頂きたいポイントです。
身だしなみは取引先含め、身の回りの方々にに敬意をしめす意味もあります。
結婚式などフォーマルとビジネスシーンでは少し違いがありますので、今回はビジネスシーンにおける、男性のスーツ着用時のマナーを解説します。
1.ブラックスーツは避ける
ブラックの無地=礼服扱いとなります。そのためビジネス向きではありません。
礼服は登場する機会が少ないもの。
それだけにもったいないからといって、仕事で着用してしまう事もありますが、そこは分けて考えましょう。
またブラックがベースの生地でも、ストライプなどの柄が入っているものはビジネスシーンで着用しても問題はありません。
暗めのスーツがお好み、職業柄必要な場合は、「濃紺」や「チャコールグレー」を選択しましょう。
2.上着ボタンの留め方
2-1.フロントの一番下のボタンは留めない
スーツを着用する際のいわゆる「あるある」です。
上着のフロント一番下のボタンは基本的に留めません。
アンボタンマナーとも言います。
2ボタン、3ボタンの場合も、一番下のボタンは留めません。
一番下のボタンは飾りです。
一番下のボタンを留めると、上着のカーブを描いた裾の形が崩れてしまいます。
マナーというよりは、スーツを美しく着るためという要素が大きいです。
2-2.座るときはボタンを外す
これもテレビのタレントさんや、講演などで登壇されている方の中にもよく見られる光景です。
座るときにはボタンを外しましょう。
座る時に外すのは、決してマナー違反ではありません。
ジャケットのサイズは立ち姿を基準として作られています。
ボタンを留めたまま座ると、余計なシワが入り見た目もよくありません。
また座った時はお腹が若干前に出ますので、窮屈さも感じてしまいます。
打ち合わせや食事などの場面でも、立ち座りの動作が多いので注意しておきたいポイントです。
3.ポケットに物を詰め込まない
スーツのポケットは様々な歴史を経て、今に至ります。
今のスーツのポケットは、外側につくものはすべてデザインと考えてください。
つまり極力スーツのポケットには物を入れないようにしましょう。
なぜかというと、例えば財布など重みのあるものは内側外側どちらに入れても、その重みでスーツの型が崩れてしまいます。
また外から見た時も膨らみが分かり不格好です。
胸ポケットに装飾としてポケットチーフ、お手洗い用のハンカチなどは問題ありません。
手ぶらでのちょっとした外出時、ポケットにさっとしまいたい気持ちはわかりますが、そこはスーツの為にグッと我慢しましょう。
どうしても仕舞わなければならない時は、なるべく内ポケットに入れましょう。
4.センタープリーツのチェックを忘れずに
スラックスの折り目(センタープレス)はしっかりと入った状態であるかを時折チェックしてください。
センタープレスはビジネスシーンでは定番のデザインで、足元をすっきりと長く見せてくれるメリットがあります。
複数回着用することにより、汗や間接部分の負荷によってセンタープレスはどうしても薄くなってしまいます。
このまま着続けると、いわゆる「ヨレヨレ」のスーツです。
折り目が無くなってしまった時は、クリーニングにと考えがちですが、ご自宅でも簡単に復活させることが可能です。
簡単な手順としては、
- まずは、アイロンのスチームなどの蒸シワを伸ばす。
- センターラインを確認しながら、当て布をしてアイロンを当てる。
※スライドしながらではなく、スタンプを押すようなイメージで当てましょう。
詳しくはこちらでご説明していますのでご覧ください。
5.靴下選びに注意
ビジネスシーンにおいての靴下は、ダーク系を選びましょう。
白の靴下を履いている方をよく見かけますがNGです。
お洒落だからといって、派手な色使いや柄が入ったものは避けましょう。
基本は紺、グレー、黒などです。
またくるぶしよりも長いものを選びましょう。
座った時など、素肌が見えてしまうのはあまり好ましくありません。
ふくらはぎ付近までの長さの靴下は、ずり落ちてきてしまう事もあります。
ひざ下まで長さのあるロングホーズタイプもおすすめです。
スーツにおける靴下の詳しい解説はこちら
6.サイズ感もマナーのひとつ
余りにも奇抜なサイズ感、大きすぎ(緩すぎ)、細すぎるなどの見た目は言わずもがな避けましょう。
・上着はウエスト周りが適度なシェイプの効くサイズ感
・着丈はお尻が隠れるくらいの長さ
・袖もシャツがほんの少し除く程度がおおまかなポイント。
より細かいチェックポイントは下記でまとめています。
スラックスは、靴下が丸見えになってしまうほど短いと子供っぽい印象に。
逆に地面についてしまうほどの長さも野暮ったく見えてしまいます。
靴に裾が少し当たって折れる、1クッションからハーフクッションがオススメです。
スラックスの詳しい長さに関しては下記でご説明しています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。ビジネスシーンにおけるマナーは、”見た目に気を遣う”といった要素が大きいです。
つまり、基本的にはどんな相手に対しても不快感を抱かせる事のない大切なポイントという事になりますので、是非覚えてみて下さい。