お店でワイシャツを選ぶとき、
38-80や42-84といったサイズ表記を目にしますよね。
「ネックサイズは分かるけど、裄丈(ゆきたけ)って何?」
「袖丈って、どう選べばいいの?」
そんな疑問を感じたことがある方も多いのではないでしょうか。
実はこの「袖丈選び」こそ、シャツ姿をワンランク格上げする隠れたキーポイント。
ちょっとした差で、清潔感やスマートさが変わってしまうのです。
今回は、シャツの袖丈選びについて「これを知っていれば安心!」という基準を、オーダー専門店の視点からご紹介します。
次にシャツを新調するときの参考にしていただければ嬉しいです。
1. シャツの袖丈=「裄丈(ゆきたけ)」とは?
まず知っておきたいのが「裄丈」という言葉。
これは、首のつけ根から肩を通って手首までの長さのこと。
たとえば「40-84」というサイズ表記なら、40がネックサイズ、84が裄丈です。
つまり、「どこでシャツの袖が止まるか」は、この裄丈で決まるわけですね。
2. 正しい袖丈ってどこ?
2-1. 既製シャツの袖丈
腕をまっすぐ下ろしたとき、手首のくるぶしで自然に止まるのが理想です。
そこから袖口からシャツが1〜1.5cm見えるのが、美しいスーツスタイルの基本。
長すぎると「だらしない」、短すぎると「貧相」に見える…ほんの数センチで印象が大きく変わります。
ちなみに、既製シャツには「アジャストボタン」が付いていることが多く、ボタンの留め位置を変えることで袖丈を微調整できます。
また、洗濯で生地が縮むため、購入時には少し長めを選ぶのがポイントです。
2-2. オーダーシャツの袖丈
ここは、オーダーの腕の見せ所。
実は、オーダーでは腕を動かした時にシャツが引っ込まないように、少し長めに袖丈を取るのが基本です。
カフスを外した状態で、親指の付け根あたりまで取ることで、動作に追従してくれる自然な着心地を実現できます。
「え?そんなに長くて大丈夫?」と思うかもしれませんが、ご安心を。
カフスのフィット感で袖が止まるため、実際の見た目は自然。
カフスの上にできる“溜まり”があることで、腕の動きがスムーズになり、着ていてラクなのにエレガント、そんなシャツになります。
3. ジャケットとの関係性はどう考える?
「せっかく合わせたのに、ジャケットを着たらシャツの袖が見えない…」
そんな経験、ありませんか?
実は、すべてのジャケットとシャツをピタリと合わせるのは不可能に近いのです。
なぜなら、シャツやジャケットの生地厚・縮率・縫製の個体差があるため。
とはいえ、方法はあります。
まずはジャケットの袖丈を「親指から約10〜13cm」に整えましょう。そこに合うようにシャツの袖丈を調整していくのが現実的。
0.5cmしか見えない日もあれば、2cm出てしまうこともありますが、それも「味」として捉えるくらいの余裕が◎。
きっちり主義な日本人らしさも大切にしつつ、少しの揺らぎも楽しめると、着こなしが一層洗練されて見えます。
まとめ | 袖丈にこだわれば見た目が大きく変わる
いかがでしたか?
ワイシャツの袖丈は、ただの数字ではありません。
見た目の印象、着心地、そして“仕立ての美しさ”を左右する重要ポイントです。
普段着ているシャツに合わせてスーツの袖丈を決める方もいますが、実は逆。
それぞれのアイテムが最も美しく見えるバランスで仕立てるのが理想です。
「袖丈までこだわるなんて面倒…」と感じるかもしれませんが、ちょっとの知識と工夫で、ワンランク上の装いが手に入ります。
次にシャツを選ぶときは、ぜひ“袖丈のこと”を思い出してみてくださいね。