スーツを毎日着る方にとって、悩みの種なのが「スラックスの折り目」。
3〜4回履いただけで折り目がぼやけて、せっかくのスーツがなんだか締まりのない印象に…。
でも、そのたびにクリーニングへ出すのは時間もお金もかかりますよね。
そこで今回は、家庭用スチームアイロンを使って、スラックスの折り目を簡単に復活させる方法をご紹介します。
同時に、アイロンがけと一緒に行いたいシワ・臭いケア、長く履くための保管方法も解説します。
1. アイロンがけの前に準備するもの
まずは下準備から。以下のアイテムを用意しましょう。
スチーム機能付きアイロン(家庭用でOK)
アイロン台(広くて高さの調整ができるもの)
当て布(テカリ防止。綿素材のハンカチでも可)
▶ 温度設定のポイント
ウール素材:中温(130〜160℃)
綿素材:高温(180℃前後)
2. スチームからスタート|ニオイ・シワ対策に
まずはスチームだけを使って、汗や臭いがこもりやすい箇所にアプローチします。
股下やヒップ周り、膝裏など、肌に近い部分に重点的にスチームを
アイロンは浮かせた状態でスチームを噴射(直接押しつけない)
この一手間で、
消臭効果(スチームの熱と湿気で雑菌の繁殖を抑制)
生地の回復効果(特にウール素材は蒸気で繊維が元の形状に戻る)
が得られます。
3. センタープレスの復活手順 ① フロント部分
スラックスの美しいシルエットを保つためには、正確な位置への折り目入れが重要です。
センタープレスの入れ方
1. もともとの折り目が薄れている場合は、脇の縫い目を重ねて基準線をつくる
2. 当て布を重ね、裾からアイロンを「押し当てるように」プレス
3. アイロンは滑らせず、「スタンプ」のように5秒程度ボンポンと押し当てる(テカリ防止)
↑ 裾は履いているうちに伸びがちなので、生地を寄せて整えてからスチーム+プレスを行うと元のシルエットに。
↑ 折り目が決まったら当て布を置き、裾から上にアイロンを当てます。スタンプを押すイメージで、アイロン半個分ずつプレス(写真のように逆からのプレスは×)
↑ アイロンは力を加えたり、滑らせる必要はありません。アイロンの重みのみで5秒前後プレスをかします。
4. センタープレス復活手順 ② 後ろ側
膝裏→モモ→股の順に、折り目と生地の平らさを確認しながらプレス。
膝裏にはシワが溜まりやすいので、スチームを多めに当ててプレス
前面の折り目がズレないように、生地をしっかり平らに整えてから行うのがポイント
▶注意:ポケットの袋布は裏返しておくと、不要なテカリや跡を防げます。
↑ モモや股は、フロントの折り目をずらさないように、生地が平らになるように後ろ側へ引っ張ります。どこにもシワが無い状態になったらプレス
ポケットの袋は凸凹の跡がついたり、テカリの原因にもなります。折り曲げてセットすると良いでしょう。
ヒップの半分くらいまで折り目が入れば完成です。
5. スラックスの保管方法
仕上げたスラックスをそのまま普通のハンガーにかけてしまうと、せっかくの折り目もすぐ崩れてしまいます。
おすすめは、裾から吊るすタイプのスラックスハンガー。
自重でシワが伸び、ヒザの伸びも自然と戻る
折り目の持ちがよくなり、アイロンがけの回数が減る
スペースに余裕があれば、ジャケットとパンツを別々に保管するのがベストです。
6. ズボンプレッサー使用時の注意点
ズボンプレッサーでもセンタープレスは復活します。しかし、いくつか注意点があります。
正しく使わないと「二重線」の原因に。
折り目をきちんと整えてセット(ズレがあると見た目に悪影響)
膝や股の曲がった部分はしっかり伸ばしてから挟む
腰部分はプレスが利かないため、シワは取り切れません。別途スチームアイロンでケアが必要
シワが残ったまま挟むと、逆に「シワを固定」することも!
スラックスの折り目のまとめ
いかがでしたでしょうか。初めは難しいと思いますが、
スラックスの折り目は、家庭でも簡単に復活できる!
ポイントは「当て布」「滑らせずスタンプ押し」「スチームの活用」
保管は“裾から吊るす”で、アイロン頻度を減らせる
何度もクリーニングに出すより、自分で5分のケアで、コスパもタイパも抜群。
ぜひ一度チャレンジしてみてください!